ピコレーザーで期待できる効果を分かりやすくご紹介!注意点はある?

さまざまな肌トラブルに有効な「ピコレーザー」。名前を聞いたことはあるけれど、どのような治療かよく分からない、という方は多いのではないでしょうか。ピコレーザーは、シミや肝斑、ニキビ跡の改善に使われる治療機器です。

本記事では、ピコレーザーに期待できる効果について詳しく解説します。また、ピコレーザーのデメリットや注意点についても紹介するので、治療を受けようかどうか迷っている方は、ぜひ参考にして下さい。

ピコレーザーとは?

ピコレーザーとは、肌質の改善に使われる治療機器です。シミ、そばかす、ニキビ跡、肝斑などに有効とされています。

従来は「ナノ秒(10億分の1秒)」で照射できるレーザー機器が使われていましたが、ピコレーザーは「ピコ秒(1兆分の1秒)」という短い時間でレーザーを照射する特徴があります。熱の影響が少なく、衝撃波で色素を粉砕するため、肌への負担が抑えられるのがメリットです。

ピコレーザーで期待できる効果

ピコレーザーは、さまざまな肌トラブルに有効な治療です。ここからは、ピコレーザーに期待できる効果についてご紹介します。

シミ・そばかす・肝斑の除去

ピコレーザーはシミ、そばかす、肝斑などの色素沈着の除法が可能な治療です。「メラニン」と呼ばれる黒い色素を、衝撃波によって破壊します。

濃いシミも薄いシミも、高出力で照射し、少しずつメラニンを除去します。個人差はあるものの、一般的には1~2回の治療でシミが目立たなくなるでしょう。

また、従来では治療が難しいとされていた肝斑も、ピコレーザーの低フルエンス照射であるピコトーニングで治療を行うことができます。肝斑は両側頬部を中心に、境界不明瞭な不定形の淡い褐色斑で、多くは左右対称性です。額や口唇にみられることもあります。発症は20~40歳が多く、スキンケアや擦るなどの外的な刺激、紫外線、女性ホルモン、ストレスで悪化するとされています。

肝斑に色素を除去する程度の強さでレーザー治療を行うと、逆に悪化することがあるため、ピコトーニングで治療することがあります。

タトゥーの除法

ピコレーザーは肌トラブルだけでなく、タトゥーの除去にも有効です。

タトゥーに関しては、ピコレーザーなら複数の波長を照射できるため、カラータトゥーの除去にも有効です。黒や茶色などの濃い色だけでなく、青、緑、紫、赤、オレンジなど、従来のレーザーでは消えにくかった色にも対応しています。

毛穴開き・ニキビ跡の改善

ピコフラクショナルレーザーを照射すると、レーザーの単位面積あたりのエネルギー

が高まります。ピークパワーでピンポイントに照射を行うことにより、強い衝撃波などが発生し、組織が破壊もしくは刺激され、コラーゲンが再構築されます。つまり、毛穴の開き、ニキビ跡、小じわなどの治療が可能です。

ピコレーザーにある3つの照射モード

ピコレーザーには「ピコトーニング」「ピコフラクショナル」「ピコスポット」の3つの照射モードがあります。照射モードによって期待できる効果は異なるので、しっかり理解しておくことが大切です。

ここからは、ピコレーザーにある3つの照射モードについて解説します。

ピコトーニング

ピコトーニングとは、顔全体にまんべんなく低出力のレーザーを当てる治療です。広範囲にできたシミやそばかす、肝斑に効果を発揮します。数回に分けて照射を行うことで、表皮内のメラノソームの破壊と真皮のリジュビネーション治療を同時に行うことができると考えられます。

また、ピコトーニングは出力パワーを控えて照射するため、ダウンタイムが短いのが特徴です。施術直後は赤みが出ることがありますが、基本的には当日に落ち着きます。

なお、ピコトーニングは1回でも効果を感じることはありますが、基本的には複数回照射することで、徐々に効果が実感できる治療です。多くのクリニックは5~10回の照射を推奨しています。

ピコフラクショナル

ピコフラクショナルとは、肌の深部に小さな空疱をつくることで、きず跡修復の反応を起こし、肌質を改善させる治療です。ニキビ跡や毛穴開きなど、肌の質感を改善したい方に向いています。

ピコフラクショナルは肌表面へのダメージが少ないため、ダウンタイムを抑えた治療が可能です。1回でも効果を感じられますが、大きな毛穴開きや凹凸を治療する場合は、複数回の治療が必要です。個人差はあるものの、3~5回ほどの照射が推奨されています。

ピコスポット

光熱作用よりも機械的な破壊作用が強く、瞬間的な高出力によってメラニン色素ははるかに細かく粉砕されます。治療回数もシミとそばかすでは1~2回、多くても3回の照射で治療が可能です。

基本的に肝斑の治療には向いていませんが、色素沈着や黒ずみに効果的です。また、前述した通りタトゥー、アートメイクやADM(後天性真皮メラノサイトーシス) の治療にも用いられます。

ピコスポットの施術時間は、1箇所につき10分程度です。即効性が高く、1回の施術でシミを除去することもできます。少ない回数で、集中的にシミを治療したい方に向いています。

ピコレーザーのメリット

ピコレーザーは、幅広い悩みに対応する治療機器です。ここからは、ピコレーザーの主なメリットを3つご紹介します。

皮膚へのダメージや肌トラブルのリスクを最小限に抑えられる

レーザーの照射時間は、長ければ長いほど周囲の細胞にも熱が広がり、肌がダメージを受けてしまいます。ピコレーザーは、パルス幅(レーザー光を照射する時間)が1兆分の1秒と、短い時間でレーザーを照射する特徴があります。そのため、肌へのダメージが少なく色素沈着などのリスクを抑えた治療が可能です。

ピコトーニングやフラクショナルレーザーに関しては、施術直後は赤みが出ることがあるものの、当日からメイクは可能とされています。

施術後のダウンタイムが短い

従来のレーザー治療は、1~4週間ほどのダウンタイムがありましたが、ピコレーザーは肌へのダメージが少ないため、術後のダウンタイムも短い傾向があります。

ピコトーニングやピコフラクショナルの施術直後は、赤みが出ることはありますが、比較的すぐに落ち着きます。かさぶたができることは少なく、当日からメイクも可能です。

ピコスポットの場合、照射した箇所に茶色いかさぶたができることがあります。元のシミの色よりも濃く、そのままでは目立つため、ファンデーションやコンシーラーなどでカバーするといいでしょう。かさぶたは1~2週間ほどで自然に剥がれ落ちます。

少ない回数で肌の変化が期待できる

従来のレーザーは、色素を細かく分解することができなかったため、メラニンの排出までに時間がかかっていました。しかし、ピコレーザーは微粒子サイズに細かく色素を砕くため、ターンオーバーによる排出が早く、少ない回数で効果を実感しやすいとされています。

ピコレーザーのデメリット

ピコレーザーは、さまざまな肌トラブルにアプローチできる治療法ですが、副作用やリスクを伴います。

ここからは、ピコレーザーの主なデメリットを3つご紹介します。デメリットを把握した上でぜひ検討してみて下さい。

施術費用が高額な場合は経済的に負担がかかる

ピコレーザーは自由診療のため、公的な医療保険は適用されず、全額自己負担となります。また、施術にかかる費用はクリニックによって大きく異なるため、事前に費用相場を把握しておくといいでしょう。

ピコトーニング1回:1~2万円
ピコフラクショナル1回:1~5万円
ピコスポットシミ除去 1×1cm:1~2万円
ピコレーザー料金相場

なお、どの程度症状を改善させたいのかによって、必要な施術回数は異なります。治療内容によっては、費用が高額になる可能性があるため、カウンセリング時に医師に相談して治療を進めるようにしましょう。

肌が敏感な方は痛みを感じる場合がある

ピコトーニングは、出力パワーが抑えられているため、刺激は少ないとされています。照射中は、軽く触られている程度の刺激を感じる方が多い傾向です。

また、ピコフラクショナルはパチパチと弾かれるような痛み、ピコレーザーは輪ゴムで弾かれているような痛みを感じることがあります。

痛みの感じ方は個人差があるため、肌が敏感な方はあらかじめクリニックに相談するようにしましょう。クリニックによっては麻酔を使用し、痛みを軽減した状態で施術を受けられます。

施術後に赤みが生じたりかさぶたができる

ピコレーザーの照射モードによって、術後の経過は異なります。ピコトーニングやピコフラクショナルの場合、術後に赤みやヒリつきを感じることがありますが、時間の経過と共に少しずつ落ち着くはずです。

一方ピコスポットの場合、赤みは数日で治まるものの、薄く茶色いかさぶたができることがあります。術後1~2週間で剥がれ落ちるため、こすらずに自然に取れるのを待ちましょう。

ピコレーザーで治療する際の注意点

肌への負担に配慮した治療ができるピコレーザーですが、術後はいくつか気をつけるべきポイントがあります。ここからは、ピコレーザーで治療する際の注意点を3つ紹介します。

施術した部分は強くこすらない

ピコレーザーを照射した部分を強くこすってしまうと、炎症や肌トラブルを起こす恐れがあります。その結果、色素沈着を起こし、さらにシミができてしまう可能性もあります。

ピコレーザーの術後は強くこすらないように心がけましょう。洗顔時は、たっぷりの泡で優しく丁寧に洗うことが大切です。かさぶたができた場合も、無理に剥がそうとせず、自然に取れるのを待ちましょう。

保湿や日焼け対策を徹底する

ピコレーザーの照射後は、肌が乾燥しているためデリケートな状態です。肌の保湿や紫外線対策は念入りに行いましょう。保湿する際は、低刺激タイプやアルコール不使用の化粧品を選ぶのがおすすめです。

また、紫外線対策をする際は、日焼け止めクリームや紫外線カット効果のある日傘・帽子を取り入れ、肌を守りましょう。

なお、日焼け対策は季節や天候に限らず、毎日行うことが大切です。紫外線は1年中、くもりや雨の日、寒い冬も降り注いでいます。短時間の外出でも、肌は紫外線によるダメージを受けるので、必ず日焼け対策をするようにしましょう。

色素沈着が起きた場合は早めに相談する

ピコレーザーの術後、2〜3週間経過してシミができた場合は、炎症後色素沈着の可能性があるため注意が必要です。原因としては、レーザーの照射により過剰にメラニンが生成されてしまったことや、アフターケアが不適切だったこと、レーザーの出力が強かったことなどが考えられます。

レーザー治療後の色素沈着は、あくまで一時的なものなので、基本的には時間の経過と共に消えていくはずです。もし、なかなか消えない時には担当医に相談するといいでしょう。

ピコレーザーに関するQ&A

最後に、ピコレーザーに関するよくある疑問をQ&A形式で紹介します。ピコレーザーに関する疑問を解消した上で検討してみると良いかもしれません。

施術回数は何回がおすすめ?

個人差はあるものの、ピコトーニングなら5~10回、ピコフラクショナルなら2~3回、ピコスポットならほぼ1回で効果が感じられます。なお、ピコスポットによる多色タトゥーの除去は2〜3回が目安です。

また、ピコトーニングは次の施術まで2週間以上、ピコフラクショナルは4週間以上、ピコスポットは3ヶ月以上の間隔を空ける必要があります。ただし、症状によって適切な間隔は異なるため、医師の指示にしたがって施術スケジュールを決めるといいでしょう。

家庭用のピコレーザーはある?

ピコレーザーは医療機器のため、家庭用ピコレーザーは存在しません。通販サイトであたかもレーザーが出るかのような美容グッズが販売されていますが、クリニックで行う治療と同様の効果は期待できないでしょう。ピコレーザーを治療として患者さんに施すのは、国家資格を持った医師や看護師に限られます。

また、ピコレーザーとして市販されている美容グッズには、光のようなものが出る商品が多くあります。効果が期待できないだけでなく、その光によって肌トラブルを引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。

施術後の運動や入浴は問題ない?

ピコレーザーの照射後は肌が敏感になっています。ダウンタイム中は血行が良くなるような行為は控えましょう。長風呂やサウナ、飲酒も血行を促進させる恐れがあるため注意が必要です。

ただし、照射モードによってダウンタイムの過ごし方は異なるため、必ずクリニックに確認しましょう。

ピコレーザーの施術はオーロラクリニックがおすすめ!

本記事では、ピコレーザーの効果やメリット・デメリットについてご紹介しました。ピコレーザーは、シミの除去や毛穴開きの軽減、くすみの改善など幅広い症状に効果が期待できます。ダウンタイム中はクリニックからの指示を守り、照射部位を刺激しないように心がけましょう。

オーロラクリニックでは、ピコレーザーを導入し、さまざまな美肌メニューが用意されています。10万人に及ぶ肌データをもとに、その方に合った施術プランを提案してもらえるのが特徴です。カウンセリングはWeb・LINEからお申し込み可能です。まずは気軽に相談してみると良いでしょう。

◾️監修

江野澤 佳代(エノサワ カヨ)

職業:医師(院長)
専門分野:皮膚科

◾️略歴

東邦大学医学部卒業
東邦大学医療センター大森病院研修医
東邦大学医療センター大森病院皮膚科
東京高輪病院皮膚科
東京高輪病院皮膚科医長
浅草橋駅前総合クリニック院長

◾️所属学会

日本皮膚科学会
日本美容皮膚科学会

◾️資格所属学会

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医

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