「肌育注射」は、肌の再生や修復を促進し、理想的なお肌を手に入れるための美容治療法です。年齢と共にお肌の状態を維持するのは容易ではありません。さまざまな化粧品を試しても期待通りの結果を得られず、フラストレーションを感じている方もいることでしょう。
肌育注射は、成分を直接肌に注入することで、内側から肌質を改善します。この記事では、肌育注射の具体的な効果と種類についてわかりやすく解説します。
肌育注射とは
肌育注射は、特別に調合された製剤を肌に注入することで、肌の質を本来の健康な状態に戻し、ハリとツヤを与えるアンチエイジング治療です。この治療はダウンタイムが短く、肌の基本的なコンディションを整えることで、シワやたるみができにくくなります。レーザー治療や手術を使わずに、手軽に美肌を目指せる方法と言えます。
肌育注射の概要
肌育注射は、肌の構造を根本から再構築し、ハリや潤い、キメを整えるための治療です。従来の美肌治療は、肌の見た目を良くするためにボリュームを増やしたり、皮膚の構造を強化することを目的としていました。肌育注射では、顔の形を変えて見た目を若々しくするのではなく、コラーゲンやエラスチンの生成を促し肌質そのものを再構築して肌のハリや弾力を取り戻すことで自然な若返り効果を得られる治療法です。
肌の土台を整えることで、根本的な原因を取り除き、長期的に美肌を維持することを目指しています。
痛み・効果について
肌の「土台」が紫外線や年齢で壊れると、シワやたるみができやすくなります。これは、肌の弾力やハリを支えるコラーゲンやエラスチンが減ってしまうためです。肌育注射では、肌の弾力やハリの要素であるコラーゲンやエラスチンといった成分を増やし、肌全体を若返らせます。
肌育注射では、製剤を注入することで、肌の真皮層の構造を数週間かけて再構成し、肌質を根本から改善することが可能です。壊れた細胞に栄養を与え、新しいコラーゲンやヒアルロン酸を生成するように助けます。つまり、肌トラブルの原因を取り除き、肌の土台を再び育てトラブルが起きにくい肌を作ります。
肌育注射は、施術時に極細の針を肌に刺すため、チクっとしますが強い痛みはありません。ただし、部位によっては違和感や鈍い痛みを感じる場合があります。針を刺す前に麻酔クリームを肌に塗ったり、薬剤に痛み止めが配合されている場合もあるため、不安な場合は事前に相談してください。
肌育注射の種類について
肌育注射は、肌の基礎を整えるために、非架橋ヒアルロン酸やアミノ酸、ビタミンなどを注入します。ここではリジュラン、ジュベルック、スネコス、プロファイロを紹介します。
SNSで話題の「リジュラン」の特徴
リジュラン注射は、サーモンから抽出された美容成分「ポリヌクレオチド」を肌に直接注入する治療法です。これにより、加齢によるシワやたるみなどの改善が期待できます。
リジュランの効果・成分
ポリヌクレオチドは、肌の深い部分に働きかけてコラーゲンやエラスチンを生成し、炎症を抑える作用があり、肌を若々しく保つ効果があります。リジュランは、注射後すぐに効果が現れるわけではありません。個人差がありますが、肌の再生には少し時間がかかるため、効果を実感するには数週間から数ヶ月かかることもあります。
具体的な効果としては、シワやたるみの改善、肌荒れやニキビ跡のケア、毛穴の引き締め、そして目の下のクマの解消です。これらの効果は、リジュランが真皮層にある線維芽細胞を活性化し、血流を促進することで得られます。
リジュランにもいくつか種類があり、リジュランiは、柔らかくてお肌にスムーズになじみやすいため、目の周りにできる小さなシワやクマの改善に効果的です。目元が若々しく見えるようになります。また、リジュランsは、ニキビ跡などでできたお肌のデコボコを改善するのに適している製剤です。
痛み・施術間隔について
リジュランは分子量が大きいため粘度があり、針を刺した時だけではなく薬液が注入される際に痛みを感じるかもしれません。この治療では、最初に表面麻酔を行い、その後、気になる部分に薬液を注入します。麻酔は約15分かかり、注入自体は1本の場合で約15分かかります。ただし、施術範囲や注入本数によって所要時間は変わります。
治療の間隔は2〜3週間ごとに、3〜4回ほど受けるのがおすすめです。
ジュベルックについて
ジュベルックは肌の自然な若返りをサポートし、継続的に効果を実感できる優れた注入剤です。
「ジュベルック」の特徴
ジュベルックの特徴は、効果が長期間続くことです。肌内部でコラーゲンの生成を継続的に促すため、肌のハリや弾力が自然に改善されます。さらに副作用が少ないことも特徴のひとつです。しこりや炎症のリスクが低く、安全で手軽に利用できる肌育注射の薬剤といえるでしょう。
ジュベルックの効果・成分
ジュベルックはポリ乳酸(PDLLA)という成分と非架橋ヒアルロン酸を組み合わせて作られています。注入後、ポリ乳酸が肌内部でコラーゲンの生成を促進し、肌のハリ、毛穴の縮小、小ジワ、ニキビ跡の改善に効果的です。また、非架橋ヒアルロン酸は水分を集めて肌の保湿力を上げる効果があります。
ポリ乳酸はトウモロコシやジャガイモ、サトウキビなどのデンプンから作られており、安全性が高いとされています。1〜2年かけてゆっくりと分解され、水と二酸化炭素に変わるため、体内に残りません。また、アメリカのFDAと韓国のKFDAの承認も受けているため、信頼性があります。
痛み・施術間隔について
ジュベルックはリジュランに比べて痛みは少ないとされています。ジュベルックの治療は月に1回のペースで3回行うのが目安です。その後は1年に1セット(3回)を継続しましょう。
スネコスの特徴
スネコスは、イタリア発のエイジングケア製剤です。肌の悩みを総合的に改善することを目的としています。特許比率で配合された非架橋の低分子ヒアルロン酸と6種類のアミノ酸を真皮層に注入することで、コラーゲンやエラスチンの合成を促進し、シワやたるみ、目の下のクマなどの改善が期待されます。
スネコスの効果・成分
スネコスの主成分は、非架橋ヒアルロン酸と6種類のアミノ酸です。非架橋ヒアルロン酸は、肌の保湿・潤いを保つ役割があります。また、アミノ酸はコラーゲンやエラスチンの合成を促進する働きを持ち、肌に弾力やハリを与える効果があります。非架橋ヒアルロン酸は、ボリュームを出すための従来のヒアルロン酸と全く異なり、サラサラで毛細血管がつまるリスクが非常に低いことが特徴です。
効果は、ヒアルロン酸による保湿効果に加え、コラーゲンとエラスチンの同時合成を促進することで、シワやたるみの改善、肌のハリと弾力の向上、保湿効果と水分量の増加が期待できます。持続期間は個人差がありますが、9ヶ月程度です。その後も月に1回程度の治療を継続することで、効果の持続が期待できます。
痛み・施術間隔について
リジュランほど痛みはありませんが、針を刺すためその際にチクっとした痛みは生じます。表面麻酔を施した後、気になる箇所に注射を行います。施術時間は範囲によりますが、約30分程度です。施術間隔は2〜3週間おきに、3〜4回の治療がおすすめになります。この間隔で治療を行うことで、肌のコラーゲンとエラスチンの生成が効果的に促進されるため、長期間にわたって効果を実感できるでしょう。
プロファイロの特徴
プロファイロは、次世代ヒアルロン酸で、肌細胞の再構築を促進し、皮膚を再生します。この技術は、イタリアのIBSA社が開発し、国際特許を取得しています。従来のヒアルロン酸と異なり、プロファイロは架橋剤を使用していません。これにより、アレルギー症状が出にくくなっています。また、加齢による肌の弾力を取り戻し、リフトアップ効果も期待できます。
プロファイロの大きな特徴は、その柔らかさと流動性の高さです。皮膚の決められた部位に数か所注入するだけで、自然に浸透・拡散し、その効果は真皮層よりさらに深く、脂肪層にまで働きかけます。
プロファイロの効果・成分
プロファイロは、2種類のヒアルロン酸を使って、肌の深い部分で細胞を再構築し、再生を促す製剤です。肌の深い部分から若返らせられる方法として注目されています。
従来のヒアルロン酸は、保水性があり、皮膚を持ち上げてしわやくぼみを解消します。プロファイロは、リフトアップではありません。脂肪細胞や線維芽細胞、コラーゲンなどの活性化や再生を促進し、顔全体のしわやたるみに効果があります。その結果、弾力やハリが向上し、自然な若々しさを取り戻せるのです。
痛み・施術間隔について
痛みは針を刺す際にチクっとした痛み程度です。顔には片側に5か所、首には10か所、皮下に注射します。施術間隔は1ヶ月間隔で2回受け、その後は肌の状況を見ながら、半年に1回の治療がおすすめになります。効果はすぐに感じられる方もいますが、2回の注入で実感する方がほとんどです。
ボライトの特徴
ボライトは、短時間で肌質を改善したい方に適した、安全かつ効果的なヒアルロン酸製剤です。アメリカのアラガン社が開発したヒアルロン酸を使用した製品で、ダウンタイム(治療後の回復期間)が短く、施術時間も短いため、手軽に受けられるプチ整形として人気があります。
一般的に、ヒアルロン酸注射は小ジワやたるみの改善、鼻筋の形成、唇をふっくらさせるなど、ボリュームアップや形状の変更を目的としていますが、ボライトは肌質の改善に特化した製品です。この製品は、厚生労働省から認可を受けています。
ボライトの効果・成分
ジュビダームビスタ®︎ボライトXCは、皮膚の『非薄化』に対処し、内側から美肌を目指すためのヒアルロン酸製剤です。年齢や紫外線の影響でヒアルロン酸が減少すると、肌は硬くなり、弾力を失います。これにより、真皮が薄くなり肌が痩せた状態が『非薄化』です。通常のスキンケア製品は表皮にしか効果がありませんが、ボライトは真皮にアプローチし、肌の深い部分からうるおいを与えます。
従来のヒアルロン酸製剤は、シワやたるみ、涙袋や唇のボリュームアップを目的とするもので、肌を持ち上げるための硬さが必要です。一方、ボライトは肌質の改善を目指す製剤で、リフト力ではなく、うるおいを与えることを目的としています。ボライトは架橋ヒアルロン酸を使用しており、吸収が遅く効果が長期間続くため、頻繁な施術が不要です。つまり、これまでのヒアルロン酸製剤と比べ、効果が高く持続期間も長いのが特徴です。
痛み・施術間隔について
ボライトは、皮膚の比較的浅い部分に何度も針を刺すため、痛みを感じることがあります。痛みが心配な場合は、クリーム麻酔や静脈麻酔の使用について相談してください。
ボライトは、額やこめかみ、頬、口の周り、そして首に使用されますが、目の周りや唇、鼻には適していません。肌にしっとりとした潤いを与える効果が、注入して1か月後ごろより現れ始め、6〜9ヶ月間続きます。ボライトは、少量を皮膚全体に均一に注入する方法が特徴です。従来の美容ケアやセルフケアでは十分な効果が得られなかった乾燥肌や鼻周りの毛穴にも効果があります。また、首の横ジワなどのシワも4ヶ月ほど改善される効果があります。
どの種類を選ぶべきか迷った方はオーロラクリニックのカウンセリングへ
肌育注射で迷っている際は、オーロラクリニックへご相談ください。オーロラクリニックでは、「高品質な治療」「来店しやすい価格」「プライバシー保護」の三つの柱を重視しています。
高品質な治療を提供するために、業界最高クラスの治療機器を採用し、10万人以上の肌データを活用したAI美肌診断機「VISIA」を使用しています。これにより、エビデンスに基づいた確かな治療を実現しました。また、「業界最高水準の美容治療を、リーズナブルな価格で」提供することをコンセプトに掲げ、来店しやすい価格設定を実現しています。
来店時から施術中まで、他の方と顔を合わせることのない完全個室のプライベート空間を提供しているため、安心してリラックスできる環境です。カウンセリングは納得のいくまで行います。まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
肌育注射は、肌を自然な形で再生・修復できる美容法です。肌の質を根本から改善することを目指しています。薬剤はさまざまな種類があり、注入する成分によって目的や効果が違います。そのため、自分の肌の状態やニーズに合わせた成分を選ぶことが大切です。種類に迷う場合は、専門家に相談しましょう。この記事を参考にして、理想の肌を実現してください。
医師コメント
肌育注射って興味あるけど、「本当に効果あるの?」「「私に合うのかな?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。肌育注射は、肌に必要な成分を直接届けることで、潤いやハリをアップさせる効果が期待できる施術です。でも、いきなり始めるのが不安なら、まずはどんな仕組みなのかを知ることが大事です。
ただし、注射だけに頼るのではなく、普段のスキンケアや生活習慣を整えることも忘れずに。十分な睡眠やバランスの良い食事が、注射の効果をさらに引き出してくれますよ。
施術を受ける際は、信頼できるクリニックを選ぶのがポイントです。医師としっかり相談しながら、自分の肌に合ったプランを見つけてください。「肌育」を楽しみながら、美肌への一歩を踏み出してみてくださいね!
◾️監修
佐上 徹(さがみ とおる)
職業:医師
専門分野:放射線診断学 産業医学 臨床疫学
◾️経歴
・横浜市立大学医学部卒業
・東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了
・専門は放射線診断学 産業医学 臨床疫学
・大学病院等で放射線診断医として研鑽を積む。
放射線診断専門医・指導医を取得した後、大学院へ進学。
・2016年国立がん研究センターがん対策情報センター全国がん登録分析室で疫学研究に従事。
・2017年大手サービス業の専属産業医に従事(6年)。
・2023年合同会社さがみ産業医事務所を設立。
・2024年新宿クレアクリニック院長を兼ねる。
◾️免許・資格
・放射線診断専門医・指導医
・日本医師会認定産業医
・労働衛生コンサルタント(国家資格)
◾️所属
・合同会社さがみ産業医事務所代表
・新宿クレアクリニック院長