
ヒアルロン酸注射は、「シワの改善」というイメージが強いかもしれません。実はリフトアップ効果にも優れた施術です。たるみの解消や若々しいフェイスラインの形成を目指すエイジングケアとして、多くの方が取り入れています。この記事では、ヒアルロン酸によるリフトアップの効果や具体的な施術内容について、専門の医師の監修のもと詳しく解説します。
たるみの原因
たるみとは、皮膚が緩んで全体的に下がって見える状態です。肌のたるみは、見た目に影響を与える要因になります。肌がたるむと、実際の年齢よりも老けて見られることが多いため、多くの方が悩んでいます。
加齢による原因
肌は紫外線や大気中の汚染物質など、目に見えないダメージを受け続けています。若いうちはそれでも回復できますが、年齢を重ねると回復力が低下し肌のハリが失われます。
①脂肪
脂肪のたるみは、繊維を線維、脂肪層がたるんでしまうことが原因です。通常、脂肪層と皮膚や骨の間には細かい線維組織があり、脂肪層をしっかりと固定しています。しかし、繊維を線維してしまうと、脂肪層が重力に引っ張られ、ずれ落ちてしまいます。こうして、脂肪層が一塊となってずれ落ちることで、顔のたるみやしわが発生してしまうのです。
②皮膚
皮膚のたるみは、特に年齢を重ねた方に多く見られるたるみです。年齢とともに、肌の内部にあるコラーゲンが減少し、その結果、肌のハリや弾力が失われてしまいます。これにより、頬やあごの下などのフェイスラインがたるみ、いわゆる「ブルドッグ顔」のように皮膚がたれてしまうことがよくあります。
このような皮膚のたるみによって、フェイスラインが薄くなるだけでなく、ほうれい線やマリオネットライン(口の横からあごに伸びる線)が目立つようになることも多いです。これらの線は、顔全体のたるみとともに現れやすくなります。
③筋肉
年を重ねると顔に変化が現れ、特に顔のよく動く部分にたるみが出てきます。たるみの一因として筋肉の衰えがあります。マスク生活も顔の筋肉が衰える要因のひとつです。口角下制筋や口輪筋といったフェイスラインを支える表情筋が衰え、フェイスラインがたるむ原因となってしまいます。
筋肉は使うことで強くなりますが、使わないとどんどん弱くなります。日常の中で笑ったり話したりすることが少なくなると、顔の筋肉が弱ってしまいます。適度な表情の運動やマッサージで、筋肉を維持することも大切です。
④骨密度の減少
年を取ると、顔の骨の密度が減って縮むことがあります。骨が小さくなり、こめかみや眼窩(目のくぼみ)の周りの骨が広がり、頬やあごの周りの骨はへこんで痩せるという変化が起こります。骨の変化は、たるみの要因のひとつです。
顔の骨は筋肉や脂肪、皮膚を支える土台のような役割を果たしているため、骨が衰えると、その支えが弱くなります。結果として、皮膚や脂肪が重力で下がりやすくなり、顔のたるみが目立つようになります。
加齢以外の原因
肌の老化を進行させる要因は、日常生活の中にも多く存在します。
①紫外線
紫外線を浴びると、肌の表面が軽いやけどを負ったような状態(いわゆる日焼け)になります。さらに、肌の奥深くにあるコラーゲンやエラスチンといった重要な成分が破壊されてしまうため、肌全体を支える力が弱まり、その結果、たるみが発生します。
紫外線が原因で引き起こされる肌の変化は「光老化」と呼ばれ、たるみの要因です。光老化を防ぐためには、日焼け止めを使用するなどの紫外線対策がかかせません。対策をしっかり行うことで、たるみの予防にも繋がります。
②乾燥
乾燥が進むと肌のハリや弾力が失われ、たるみが増えてしまいます。これを防ぐためには、肌の奥深くにあるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの保湿成分をしっかりと補うことが大切です。
肌の表面もしっかりケアする必要があります。肌の表面を保湿することで、内部の保湿成分が肌から失われないように守れます。
③生活習慣
強すぎるストレスは、ストレスホルモンを分泌させ、肌のターンオーバー(新しい肌細胞が生まれ変わるサイクル)を乱し、肌が老化しやすくなります。また、睡眠不足も肌の大敵です。成長ホルモンが分泌される睡眠時間が足りないと、新陳代謝が低下し、老廃物が溜まりやすくなります。
栄養不足にも注意しましょう。肌の弾力を保つために必要なコラーゲンを作るには、たんぱく質やビタミン、ミネラルが欠かせません。これらが不足すると、肌の新陳代謝が悪くなり、肌荒れやたるみの原因となります。
長期間の喫煙は、肌の老化、特にたるみに影響を与えます。これは、喫煙が卵巣機能や体の酸素供給に悪影響を及ぼし、ビタミンCを減らすことが原因です。受動喫煙も同様にリスクがあるので、注意してください。
姿勢の悪さもたるみの原因の一つです。デスクワークやスマートフォンを使っている時に下を向く習慣があると、皮下脂肪が重力の影響を受けやすくなり、たるみが進行します。画面を見る位置を少し上に上げることで、姿勢を改善し、たるみを防げます。
たるみの出やすい場所と原因
たるみができやすい部分は、だいたい決まっています。主に目元、頬、口元に現れます。
①目の下
目の下がたるむのは、主に肌や周りの筋肉が弱くなるためです。筋肉が衰えると、目の周りについている脂肪を支えられなくなり、結果としてたるんだ状態になります。目の下のクマだと思っていたのが、実は脂肪のたるみだったということもあります。
イメージとしては、年齢とともに伸びてしまうゴムのように、時間と共に支えが弱くなり、脂肪が下がってくる感じです。目の下の皮膚がたるむと、見た目に影響しやすいため、改善したいと思う方も多いでしょう。
②ほうれい線
ほうれい線とは、頬と唇の間にできる溝のことです。これは、自然なシワの一種と思うかもしれません。実は頬と唇周辺の肌にかかる重さの違いが原因で、皮膚がたるんでできるものです。ほうれい線により、顔の印象が変わることがあります。
③マリオネットライン
マリオネットラインとは、ほうれい線の延長線上から下顎にかけてできるシワのことです。その名前は、操り人形(マリオネット)の顔に似ていることから来ています。この線は、顔の肌がたるんで垂れ下がることで目立つようになります。
④あご
体重が増えることで、あごが重く見えることは知られています。しかし、加齢によってもフェイスラインが緩み、二重あごになることがあります。これは、顔の下半分が重力の影響を受けやすいためです。
シワ以外にも!ヒアルロン酸の効果とは
ヒアルロン酸とは、私たちの体の至る所に存在する物質です。特にへその緒、関節液、眼の硝子体、皮膚などに多く含まれています。年齢を重ねると、体内のヒアルロン酸の量が減少していき、特に40歳後半から皮膚内のヒアルロン酸が減少することが報告されています。
ヒアルロン酸は細胞と細胞の間に多く存在し、水分を保持したり、クッションのように細胞を保護したりすることが役割です。皮膚の真皮に多く含まれており、水分を保持して肌を潤す働きがあります。しかし、ヒアルロン酸が減少すると、肌の水分が不足し、乾燥してしまいます。
ヒアルロン酸は年齢とともに減少するため、外部から補う必要が出てきます。ヒアルロン酸注射とは、皮膚の内側にヒアルロン酸という物質を注入して、加齢によるシワや溝を目立たなくしたり、顔のボリュームを取り戻すための方法です。
ヒアルロン酸の水溶液は無色透明でにおいがなく、非常に粘り気があり、元の形に戻ろうとする性質があります。その粘度は、濃度や分子の大きさによって変わります。ヒアルロン酸の特性は、高い水分保持能力です。1グラムのヒアルロン酸は2〜6リットルの水を保持できます。
実はしわだけでなくたるみにも効果的!
ヒアルロン酸注射は多くの方にシワの改善の方法として知られていますが、それだけではありません。ヒアルロン酸には、リフトアップ効果もあり、たるみの解消やフェイスラインの引き締めにも役立ちます。
ヒアルロン酸注射は、シワやたるみの原因となる顔の骨の変化や弾性物質の減少を補うために行われます。これにより、骨の萎縮や靭帯のたるみを改善し、皮膚の弾力を取り戻せます。
若返り・エイジングケアにヒアルロン酸リフトを
ヒアルロン酸リフトは、従来のヒアルロン酸注射とは異なり、顔全体のリフトアップを目指す施術です。顔の骨格に沿ってヒアルロン酸を注入し、たるんだ組織を持ち上げて引き締める効果があります。
40代以降の方々に対して、特に効果的です。年齢を重ねると骨が痩せたり皮膚がしぼんだりするため、この施術により頬やあごのラインがリフトアップされ、若々しくハリのある顔立ちを取り戻せます。
また、若い世代の方々にもヒアルロン酸リフトはおすすめです。20代や30代の方にとって、顔に自然なメリハリをつけられ、立体的で美しい顔立ちを実現します。施術後は、顔の各パーツが引き立ち、全体のバランスが整うことで、理想的な輪郭が形成されます。
ヒアルロン酸リフトのメリット
①手術が不要
従来のフェイスリフト手術ではメスを使うため、長い回復期間が必要でした。しかし、ヒアルロン酸リフトは注射だけで施術が完了します。これにより、手術の恐怖を感じることなく、美容効果を得られます。
②短い施術時間
通常の施術は30分から1時間ほどで終わり、施術後すぐに日常生活に戻れます。さらに、回復期間もほとんどなく、もし腫れや赤みが出ても数日以内に治ります。これにより、仕事やスケジュールに影響を与えることなく、継続的に美容ケアを受けられます。
③安全性が高い
ヒアルロン酸は元々体内に存在する成分であるため、アレルギー反応や副作用のリスクが非常に低いのも大きなメリットです。施術後すぐにメイクができるので、忙しい人にとって非常に便利で手軽な美容法と言えます。
④ダウンタイムが短い
切開を伴わないため、身体への負担が少なく、ダウンタイムが短いのも大きなメリットです。施術後に腫れや内出血、赤みが出ることがありますが、多くの場合、数日から数週間で自然に治まります。施術翌日からメイクができるため、長期の休みを取らずに済み、周囲に施術を受けたことを知られたくない方にも適しています。
⑤効果がすぐに実感できる
注入されたヒアルロン酸が肌を内側から持ち上げ、たるみを引き上げるため、施術直後から効果を感じることが多いです。時間がないけれど美容効果を求める方にとって、とても便利な施術と言えるでしょう。
リフトアップに必要な本数
ヒアルロン酸の注入量は、たるみの程度や注射部位、年齢によって異なります。以下の量は、目安として参考程度にしてください。
2本(2.0cc) | 軽度のたるみ | 20〜30代 |
4本(4.0cc) | 中等度のたるみ | 40〜50代 |
6本(6.0cc) | 深刻なたるみ | 60代以上 |
軽度のたるみがある場合は2本、中等度のたるみには4本、最も深刻なたるみには6本程度が必要です。
年齢に応じた目安として、20〜30代の方には2本、40〜50代の方には4本、60代以上の方には6本が目安です。
個人差があるため、カウンセリングにて医師に確認しておきましょう。
注入部位について
不適切な部位に注入したり、過剰に注入したりすることはありません。以下の部位に薬剤を注入することで、自然で美しいリフトアップを実現します。
- こめかみ
- 頬
- ほうれい線
- ゴルゴライン
- マリオネットライン
- あご
気になる料金は
ボリューマXC 1本(1.0cc) | 96,800円(税込) |
ボリフトXC 1本(1.0cc) | 96,800円(税込) |
ボルベラXC 1本(1.0cc) | 96,800円(税込) |
当院の紹介
オーロラクリニックは、手頃な価格で質の高い美容医療を提供することを目指しているクリニックです。初めて美容クリニックを利用する人でも、安心して通える環境を整えています。
一人一人の肌の状態を最新のAI技術で診断するため、最適な治療法を提案することが可能です。また、プライバシーを重視しており、完全個室の待合室や施術室を完備しています。周りの目を気にせずにリラックスして治療を受けられます。
オーロラクリニックの特徴の一つは、若い方にも手が届きやすいように配慮された料金設定です。これによって、高品質な治療をリーズナブルな価格で受けられます。カウンセリングも丁寧に行い、納得するまで説明を行います。
オーロラクリニックは、安心して美容医療を受けたい方々にとって、理想的なクリニックと言えるでしょう。興味がある方はぜひ一度訪れてみてください。
まとめ
ヒアルロン酸注射は、シワの改善だけでなく、たるみの解消やリフトアップ効果も期待できるエイジングケアです。適切な量や部位への注入で、手軽に若々しい印象を得られます。料金や効果の持続期間が気になる方は、専門医に相談してみましょう。自分に合った施術計画を立てて、理想のフェイスラインを手に入れてください。
医師コメント
たるみでお悩みの方には、必ずしもヒアルロン酸だけが選択肢ではありません。筋肉の過度な緊張が原因となる部分にはボトックスが有効で、超音波や高周波を用いたハイフやRF治療は皮膚を引き締めます。さらに、スレッドリフトも物理的にたるみを引き上げる施術として人気です。ダウンタイムがかなり出ますが切開リフトもあります。
◾️監修

松澤 宗範(まつざわ むねのり)
職業:医師
専門分野:美容皮膚科
◾️経歴
2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
◾️免許・資格
世界美容外科学会専門医
◾️所属
・青山メディカルクリニック院長
・慶応義塾大学病院形成外科

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