【医師監修】たるみ治療にヒアルロン酸注入とハイフ併用で効果に違いは?

ヒアルロン酸 ハイフ

年齢を重ねるにつれ、顔や体のたるみが気になってくるかもしれません。その改善方法として注目されるのが「ヒアルロン酸注入」と「ハイフ(HIFU)」です。それぞれ単体でも高い効果が期待できますが、併用することでさらなる相乗効果が得られると言われています。ただし、どのような効果が得られるのか、また施術の注意点についてご存じでしょうか?この記事では、たるみの原因とともに、ヒアルロン酸注入とハイフの特徴や併用する際のメリット・デメリット、施術間隔について解説します。最適な治療計画を立てたい方は、ぜひご覧ください。

たるみの原因

肌がたるむ原因の一つに、肌の中間層の構造変化があります。肌は表皮、真皮、皮下組織の3層で構成されており、その中でも真皮は肌の弾力や潤いを支える重要な部分です。真皮はコラーゲンやエラスチンといった線維でできており、それらの間をヒアルロン酸が埋めることで、肌のハリや潤いを保っています。

加齢とともにコラーゲンやエラスチンの量は減少し、真皮は次第に薄くなっていきます。真皮が薄くなるほか、体内の活性酸素が増える「酸化」や、余分な糖質がタンパク質と結びつき細胞を劣化させる「糖化」も、コラーゲンの質の低下を招き、肌の弾力を失わせる原因です。筋肉の衰えや脂肪の変化、むくみなどもたるみの原因に影響を与えます。

たるみ治療に効果的なハイフとヒアルロン酸注射とは

たるみは、加齢による影響は避けられないものの、「年齢だから仕方ない」と諦める必要はありません。たるみに効果的な治療法があります。それは、ハイフとヒアルロン酸注射です。ハイフは肌の引き締めを目的とし、ヒアルロン酸注入はボリュームを補います。どちらの施術もメスは必要としません。

ハイフ(HIFU)
リフトアップを目的とした施術の一つで、たるみの原因となる肌や皮下組織のゆるみに対して効果的に働きかけます。この治療の特徴は、高密度の超音波エネルギーを使用する点にあります。肌の表面だけでなく、皮膚の奥にあるSMAS層(筋膜層)に直接アプローチできることが大きな魅力です。SMAS層は、顔のたるみの主な原因となる肌の土台のため、ここを引き締めることでリフトアップや若々しい印象を実現します。

ヒアルロン酸注射
体内に元々存在するヒアルロン酸を注入することで、皮膚を膨らませ、ほうれい線やしわを改善します。ダウンタイムが短く、即効性があるため、手軽に受けられるのが特徴です。

併用で施術は受けられる?メリット・デメリットについても解説

ヒアルロン酸注射とハイフを組み合わせることで、より高いたるみ改善効果が期待できます。ハイフが緩んだ皮膚やSMAS層を引き締め、フェイスラインをリフトアップする一方、ヒアルロン酸注射で皮下脂肪が減少した部位にボリュームを補い、自然で美しい仕上がりを実現できることが併用するメリットです。

また、ヒアルロン酸注射がしわやくぼみを持ち上げ、ハイフがコラーゲン生成を促すことで、肌にハリと弾力が生まれ、若々しい印象を与えられます。ただし、施術を受ける順番については注意しないといけません。

ヒアルロン酸とハイフどちらの施術を先に受けるべきか

治療を受ける順番は、①ハイフ、②ヒアルロン酸注射という2段階がおすすめです。

①ハイフで皮膚を引き締める
肌を内側からリフトアップし、引き締め効果を発揮します。これにより、たるみの土台を改善し、肌全体が引き上がるのを感じられるでしょう。

②ヒアルロン酸注入でリフトアップ
ハイフで引き締まった肌に、ヒアルロン酸を注入することで、さらに弾力とハリをプラスし、顔の輪郭や立体感を整えることが可能です。

ヒアルロン酸注入後のハイフが勧められない理由

ヒアルロン酸注射直後にハイフを受けた場合、以下のリスクが発生します。これらのデメリットがあるため、ヒアルロン酸注入後のハイフはお勧めできません。

  • 内出血が長引く可能性
  • 腫れやすくなる
  • ヒアルロン酸の効果が薄れる

ハイフは熱を真皮層まで届けるため血行が促進され、ヒアルロン酸注射の副反応である内出血が長引くことがあります。また、ハイフの熱がヒアルロン酸注入後の患部を刺激し、腫れが生じやすくなります。また、ハイフの効果で顔がシャープに見えるため、ヒアルロン酸の効果が分かりにくくなる場合があります。

おすすめの施術間隔

ハイフ後のヒアルロン酸注入は施術直後から可能となっています。ただし、ヒアルロン酸注入後にHIFUを行う場合は、2〜3週間間をあけることが必要です。

当院で取り扱う製剤・機械について

当院で取り扱っている製剤・機械を紹介します。

医療ハイフ「ダブロゴールド」
ハイフの最新機器です。アメリカのFDA認可を受けたウルセラの技術提供を活用しており、安全性と効果が確立されています。高密度の超音波エネルギーを均一に届けることで痛みを軽減し、負担を軽くしながら高い効果を提供することが可能になりました。

希望する効果や施術部位に応じて、3種類のカートリッジを使い分け、密度や深さを正確に調整します。これにより、肌の引き締めやリフトアップ、小顔効果、コラーゲン生成を促す美肌効果が得られます。

ジェビダームビスタシリーズ」のヒアルロン酸
アラガン・ジャパン社が製造販売する「ジェビダームビスタシリーズ」から、「ボリューマXC」「ボリフトXC」「ボルベラXC」の3種類のヒアルロン酸をご用意しております。通常のヒアルロン酸と比較して、持続性と組織親和性が非常に高いことが特徴です。

(ボリューマXC)
ジェビダームビスタシリーズの中で最も硬いヒアルロン酸で、深い層への注入が可能です。国内で唯一、厚生労働省の承認を得たヒアルロン酸製剤であり、約2年の長期持続効果が特徴になります。

(ボリフトXC)
ボリューマXCよりも柔らかいヒアルロン酸で、浅い層への注入に適しています。深層用のボリューマXCと組み合わせることで、さらに自然な仕上がりと相乗効果が期待できます。持続効果は約12〜18か月です。

(ボルベラXC)
繊細な肌のために特別に開発された、薄く柔軟なヒアルロン酸です。特に細かい調整が求められる部位に適しており、効果は約12か月持続します。

適切な判断は医師に

たるみの治療は、肌状態やお悩みによって最適なアプローチが異なります。安全に効果的な治療を受けるためには、自己判断は避け、医師に相談しましょう。不安や疑問があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

たるみが気になる方は一度カウンセリングへ

たるみが気になる方は、ぜひ一度カウンセリングへお越しください。当クリニックでは、すべての方が安心して施術を受けられるよう、待合室から施術室まで完全個室のプライベート空間を設けています。他の方に声が漏れる心配はありません。リラックスした状態でカウンセリングや施術を受けていただけます。

豊富な施術メニューを用意し、ヒアリング時に「どこに悩みがあり、どのようになりたいか」を詳しくお伺いし、その上で最適な施術プランをご提案いたします。不安な点や施術内容に関するご質問にも、納得できるまで丁寧にお答えしますので安心して相談してください。

まとめ

たるみ治療にはヒアルロン酸注射によるリフトアップと、HIFU(高密度焦点式超音波治療)の組み合わせが効果的です。ただし、順番と施術間隔に注意しないといけません。ヒアルロン酸注射後すぐにHIFUを行うことは、デメリットが生じます。そのため、医師にカウンセリングを受けながら、自分に合った治療計画を立てることが大切です。当院では、ヒアルロン酸とHIFUを用いたたるみ治療を取り扱っており、丁寧な診断と施術をご提供しております。たるみが気になる方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。

 

医師コメント
ハイフは高密度焦点式超音波を使って筋膜などの深部組織を引き締め、リフトアップ効果を狙う治療です。皮膚表面を傷つけずに施術でき、たるみに対して効果が期待できます。一方、ヒアルロン酸注射は骨や皮下脂肪など失われたボリュームを補完し、シワやほうれい線を改善するのに有用です。いずれも目的や希望に応じた使い分けが重要です。

◾️監修

松澤 宗範(まつざわ むねのり)

職業:医師
専門分野:美容皮膚科

◾️経歴

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業

◾️免許・資格

世界美容外科学会専門医

◾️所属

・青山メディカルクリニック院長
・慶応義塾大学病院形成外科

当コラムの掲載記事に関するご注意点

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