ピコレーザーは照射モードを切り替えることによって、シミ、そばかす、肝斑、ニキビ跡、毛穴の開き、皮膚のハリ、小ジワなど、多くの肌悩みにアプローチできるレーザーです。
本記事では、ピコレーザーの照射モードの中でも、毛穴の開きが気になる方におすすめな「ピコフラクショナル」についてご紹介します。なぜ毛穴に働きかけるのか、ピコフラクショナルの特徴、ピコトーニングやピコスポットとの違いなども解説するので、ぜひ参考にしてみて下さい。
ピコフラクショナルは毛穴の引き締め効果が期待できる!
ピコレーザーには基本的に、3つの照射モードが搭載されています。
- ピコトーニング
- ピコフラクショナル
- ピコスポット
照射モードによって期待できる効果は異なります。ピコフラクショナルは毛穴を引き締め肌質を改善させる効果が期待できるため、毛穴の開きが気になる方におすすめです。
ピコフラクショナルの仕組み
ピコフラクショナルでは、フラクショナルレーザーを照射することによって、レーザーの単位面積あたりのエネルギーを高め、ピンポイントで非常に高いパワーで照射を行います。強い衝撃波などが発生し、これによって組織を破壊、もしくは刺激してコラーゲンの再構築を生じさせます。レーザーの衝撃波で真皮層に小さな空洞をつくり、古い皮膚を新しい皮膚へと入れ替えていきます。ニキビ跡、毛穴の開き、肌のハリ、小ジワなどの改善が期待されます。1回でも効果を見込めますが、大きな毛穴が気になる方は、3〜5回を目安に受けると良いでしょう。
ピコフラクショナルは肌表面のダメージを抑えつつ、真皮層に働きかけるレーザーのため、かさぶたがほとんどできません。また、ダウンタイムが少ないという特徴があります。
ピコトーニングやピコスポットとの違い
ピコフラクショナルは、ピコトーニングやピコスポットとどのような違いがあるのでしょうか。期待できる効果と特徴について見ていきましょう。
照射モード | 期待できる効果 | 特徴 |
---|---|---|
ピコトーニング | シミや顔全体のくすみを改善 | 肝斑にも照射できる |
ピコスポット | ピンポイントのシミを改善 | 大小のシミを短時間で照射できる |
ピコトーニングは、色素性病変治療後の残存や色調の改善、肌のハリ、毛穴など、肝斑が気になる方におすすめの施術です。弱い出力のレーザーを顔全体に照射して、シミの原因でもあるメラニン色素を破壊します。
ピコスポットは、比較的薄いシミや濃いシミ、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)が気になる方におすすめの施術です。気になる部分にピンポイントで照射し、メラニン色素を破壊します。レーザーを当てたあとは薄い黒色のかさぶたができ、約1〜2週間で剥がれ落ちます。
なお、ピコトーニングで毛穴治療を行うクリニックもありますが、ピコフラクショナルとピコトーニングは施術のメカニズムが異なります。それぞれの特徴をしっかり把握した上で、ぴったりの施術を選ぶことが大切です。
肝斑治療に対するトーニングの有効性については、これまで多くの報告があります。しかし、その一方、トーニングによる肝斑の増悪や治療中止に伴う再発、また頻回照射に伴う難治性白斑の可能性などのデメリットもあります。
肝斑治療に対して当院は、慎重を期してピコトーニングを行っています。また、肝斑治療はスキンケア、内服、外用を基本治療として実施。なお、ピコトーニングは、これらの治療を行った上での、補助的な治療になります。
ダーマペンとの違い
ダーマペンもピコフラクショナル同様、皮膚に穴を開け、新しい肌へと入れ替えていく施術です。肌をキレイにしていくメカニズムはどちらも似ていますが、ピコフラクショナルはレーザーで肌内部に空疱をつくるのに対し、ダーマペンは細い針で肌表面から内部に向けて物理的に穴を開けます。
ピコフラクショナルのダウンタイムが2〜3日程度といわれているところ、ダーマペンのダウンタイムは約1週間とやや長めです。ピコフラクショナルは肌表面へのダメージを抑えつつ真皮層にアプローチしますが、ダーマペンは肌表面から内部に向かって針を刺していくため、ダウンタイム期間に差があります。
ピコフラクショナルで鼻の黒ずみは改善できる?
鼻の黒ずみは、古い角質やターンオーバーの乱れで残った古い皮脂が毛穴に詰まることで発生します。ピコフラクショナルはレーザーの衝撃波などを使ってコラーゲンの再構築を行う施術なので、鼻の黒ずみ除去への効果は期待できないでしょう。
鼻の黒ずみをケアしたい場合は、毛穴に詰まった古い角質やターンオーバーの乱れで残った古い皮脂を、ピーリングなどで除去する必要があります。
また、毛穴に古い皮脂や角栓が詰まっている状態でピコフラクショナルを受けたとしても、詰まった老廃物が毛穴の引き締めを邪魔してしまい、思ったような効果が得られない可能性が高いでしょう。
鼻の黒ずみが気になる方は、ピコフラクショナルを受ける前に、まずは毛穴に詰まった老廃物を除去することが大切です。
ピコフラクショナルの特徴
ピコフラクショナルには、以下の3つの特徴があります。
- シワやニキビ跡の改善も期待できる
- 皮膚へのダメージが少ない
- ダウンタイムが短い
ここからはピコフラクショナルの代表的な特徴3つを、より具体的に紹介します。
シワやニキビ跡の改善も期待できる
ピコフラクショナルの特徴の1つ目は「小ジワやニキビ跡の改善も期待できる点」です。
ピコフラクショナルは、レーザーの衝撃波などが組織を破壊、もしくは刺激してコラーゲンの再構築を生じます。つまり、シワやニキビ瘢痕の治療が可能です。
皮膚へのダメージが少ない
ピコフラクショナルの特徴の2つ目は「皮膚へのダメージが少ない点」です。
レーザーは照射時間(パルス幅)が短いほど、照射時の熱による肌ダメージが抑えられるといわれています。
ピコレーザーの照射時間(パルス幅)は、「ピコ秒(1兆分の1秒)」です。ピンポイントのシミ取りやレーザートーニングでよく使用されるQスイッチレーザーの照射時間は「ナノ秒(10億分の1秒)」、脱毛で使用されるジェントルレーズは「ミリ秒(千分の1秒)」のため、ピコレーザーの照射時間がどれほど短いのかが分かります。
ダウンタイムが短い
ピコフラクショナルの特徴の3つ目は「ダウンタイムが短い点」です。
従来から毛穴治療法として使われているフラクショナルCo2レーザーやダーマペンは、施術後にかさぶたができ、かさぶたが剥がれ落ちるまでに10日前後が必要です。ピコフラクショナルは皮膚表面をほとんどきずつけることなく、肌内部に小さな空疱をつくるため、ダウンタイムも短い特徴があります。
ピコフラクショナルは施術直後に若干の赤みがでることもありますが、一般的には施術後数時間から数日程度で落ち着くといわれています。
施術後すぐにメイクができるので、ダウンタイムのために休みを取る必要がなく、社会人や学生でも気軽に受けやすいのがポイントです。
ピコフラクショナルの施術の流れ
ここでは、ピコフラクショナルの施術の流れを紹介します。これからピコフラクショナルを受けようと考えている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
【ピコフラクショナル施術の流れ】
来院後はまずカウンセラーのカウンセリングや医師による診察があります。
どのような肌悩みがあるのか、どのような肌になりたいのか、予算はどれくらいかなどを相談し、自分の肌にピコフラクショナルが適しているかどうかなどのチェックを行います。
カウンセリングと診察後に施術ができるクリニックもありますが、クリニックによっては改めて予約をする必要があります。
ピコフラクショナルの施術日には、まずは下記のような準備を行います。
- 洗顔をしてメイクや肌の汚れを清潔にする
- 施術室に移動する
- 必要な場合は表面麻酔を付ける
お手洗いも、施術が始まる前までに済ませておきます。
必要に応じてマーキングや肌の消毒をし、アイガードを目に乗せます。施術時間は照射範囲によっても差がありますが、5〜60分くらいが目安です。
アフターケアに関しては、事前にクリニックに確認しておくと良いでしょう。アフターケアが施術費用に含まれている場合もあれば、別途費用がかかる場合もあるため、注意が必要です。
また、帰宅後のアフターケアも欠かせません。施術後は肌が敏感になっているため、しっかりと保湿を行い、日焼け止めを塗って紫外線対策を行いましょう。
ピコフラクショナルの施術後の注意点
ピコフラクショナルはダウンタイムが少ないことから、次の日に予定があっても受けやすい施術といえるでしょう。
しかし、施術後に注意が必要なポイントが2点あります。ピコフラクショナルを受ける前に確認しておきましょう。
施術直後に赤みが生じることがある
ピコフラクショナル施術後の注意点の1つ目は「施術直後に赤みが生じることがある点」で
す。ピコフラクショナルの施術直後は肌が敏感になり、若干の赤みが出てしまうことがあります。
赤みは数時間から数日程度と時間の経過と共に引くことがほとんどです。施術直後に予定がある場合は、すぐにメイクでカバーすることもできます。
施術当日から入浴やシャワーも可能ですが、長時間の入浴は赤みが生じやすくなるため控えるようにしましょう。また、時間が経っても赤みが引かない場合や肌状態で心配な点がある場合は、自己流でお手入れをせずに、まずは施術を受けたクリニックの医師に相談してみて下さい。
施術後は肌の適切なケアが必要
ピコフラクショナル施術後の注意点の2つ目は「施術後は肌の適切なケアが必要な点」です。
ピコフラクショナル施術後の肌はとても敏感です。外部からの刺激を受けやすいため、以下を徹底しましょう。
- 紫外線対策を行う
- 肌をこすらない
- 十分な保湿を行う
施術後のデリケートな肌は紫外線の影響を受けやすく、紫外線によって色素沈着や肌トラブルを引き起こす場合があります。また、肌をこする行為は刺激になるので、肌に触れる際はなるべく優しく行うことが大切です。メイクをしたり顔を洗ったりする時は、特に注意しましょう。
ピコフラクショナルを受けた後は、肌が乾燥しやすくなっています。丁寧に保湿ケアを行い、徹底することが重要です。
オーロラクリニックでは毛穴を引き締める施術が受けられる!
ピコレーザーには3つの照射モードがあり、毛穴の開きが気になる方にはピコフラクショナルがおすすめです。ピコフラクショナルで施術すると、毛穴の引き締め効果が期待できます。また、ニキビ跡、肌のくすみにアプローチでき、従来のレーザーに比べて痛みやダウンタイムが少ないのが大きな特徴です。
美容クリニックのオーロラクリニックでも、ピコレーザーによる施術を行っています。「ピコシュア」を使用しており、こちらの機種では毛穴の開き、顔全体のシミ、濃いシミのピンポイントケアと3つの照射モードが搭載されており、それぞれの肌状態に適した施術を受けられます。
オーロラクリニックは無料LINE相談や無料カウンセリングを実施しているので、ピコフラクショナルが少しでも気になる方は、ぜひ気軽に相談してみて下さい。
◾️監修
江野澤 佳代(エノサワ カヨ)
職業:医師(院長)
専門分野:皮膚科
◾️略歴
東邦大学医学部卒業
東邦大学医療センター大森病院研修医
東邦大学医療センター大森病院皮膚科
東京高輪病院皮膚科
東京高輪病院皮膚科医長
浅草橋駅前総合クリニック院長
◾️所属学会
日本皮膚科学会
日本美容皮膚科学会
◾️資格所属学会
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医