さまざまな肌トラブルの治療に用いられる「ピコレーザー」。ピコレーザーは、シミやそばかすの除去、ニキビ跡、その他、毛穴の開きや肌のハリ、小ジワなどの肌質改善にも効果を発揮します。ニキビ跡や、その他毛穴の開き、肌のハリ、小ジワなどの肌質改善にも効果を発揮するピコレーザーですが、術後の経過やダウンタイムについて気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ピコレーザーの治療の経過やダウンタイムについて詳しく解説します。ピコレーザーに興味がある方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
肌の悩みによってピコレーザーの照射モードは異なる!
ピコレーザーとは、衝撃波でメラニン色素を減少させ、肌のくすみやシミの軽減などに効果を発揮する治療機器です。ピコレーザーには基本的に、「ピコトーニング」「ピコフラクショナル」「ピコスポット」の3つの照射モードがあり、肌の悩みやトラブルによって向いているモードは異なります。
ここでは、ピコレーザーの3つのモードをご紹介します。それぞれの特徴について理解しておきましょう。
くすみやシミを全体的に改善できる「ピコトーニング」
ピコトーニングとは、低出力のレーザーを顔全体にまんべんなく照射し、シミやくすみを軽減させる治療です。広範囲にレーザーを照射することで、メラニンを少しずつ減らすため、広く散らばった薄いシミを治療したい方や、顔全体をトーンアップさせたい方に向いています。
また、両頬にぼんやりとできる「肝斑」の治療にも有効です。従来の高出力レーザーでは、肌に負担がかかり、かえって肝斑を悪化させてしまうリスクがありました。しかし、ピコレーザーは出力パワーを抑えて照射できるため、肝斑も治療できる可能性があります。
ピコトーニングはダウンタイムが少なく、施術当日からメイクが可能です。かさぶたや出血が起こる可能性も少ないため、周囲にばれずに美肌治療をしたい方に向いているでしょう。
肝斑治療に対するトーニングの有効性については、これまで多くの報告があります。しかし、その一方、トーニングによる肝斑の増悪や治療中止に伴う再発、また頻回照射に伴う難治性白斑の可能性などのデメリットもあります。
肝斑治療に対して当院は、慎重を期してピコトーニングを行っています。また、肝斑治療はスキンケア、内服、外用を基本治療として実施。なお、ピコトーニングは、これらの治療を行った上での、補助的な治療になります。
毛穴の開きやニキビ跡を改善できる「ピコフラクショナル」
ピコフラクショナルとは、点状にエネルギーを照射し肌質改善を図る治療で、シワやニキビ跡、毛穴の開きに有効です。肌の深い層に微細な穴を開け、きず跡修復の反応を起こし、コラーゲンやエラスチンの産生を促します。ピコフラクショナルは、照射後、2~5日程度、点状出血がみられることがありますが、ダウンタイムは比較的短いです。
また、ピコフラクショナルとよく似た治療に「ダーマペン」があります。ダーマペンとは、極細針を使って肌表面に穴を開け、きず跡が修復する過程で肌質改善を促す治療法です。
ピンポイントでシミ取りやそばかすの除法ができる「ピコスポット」
ピコスポットとは、シミやそばかすなど気になる箇所にピンポイントでレーザーを照射する治療です。狭い範囲に高出力のレーザーを当てることで、気になる部分を集中的に治療するため、広範囲の色素沈着よりも目立つシミを部分的に治療したい方に向いています。
また、ピコスポットはタトゥー、アートメイク、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の除去にも有効です。多くの場合1回で除去することが可能ですが、アートメイクやタトゥー除去の場合、色の深さや種類によっては複数回の施術が必要になることもあります。
ピコスポットの術後1~2週間は黒いかさぶたができ、照射した箇所が目立つことがあります。ダウンタイム中は、コンシーラーやマスクで隠すと良いでしょう。
ピコトーニングの経過とダウンタイム
ピコトーニングは、顔全体のシミやくすみの改善に有効な治療です。ここからは、ピコトーニングの経過とダウンタイム中の症状について解説します。
経過
ピコトーニングの術後は、肌のカサつきを感じることがあります。また、施術後数日は肌荒れしやすくなったり、元々シミがなかった場所に濃く浮かび上がってきたりする可能性もあります。
濃くなったシミは時間の経過とと共に薄くなっていくため、クリニックに指示された通りのケアをしながら様子を見ましょう。術後2~3日すると、ピコトーニングの効果が出始め、明るい印象の肌に近づくことが期待できます。
なお、ピコトーニングは1回でも効果を感じられますが、大幅な効果は見込めません。基本的には5~10回程度を目安に繰り返し照射する必要があります。複数回施術を受けることで徐々にシミが目立ちにくくなり、色ムラが改善さる可能性があります。
ダウンタイム期間
ピコトーニングは、レーザーの出力パワーが小さいため、個人差はあるものの、ダウンタイムは短いとされています。施術直後に赤みが出ることがありますが、翌日には落ち着くことが多いです。ピコトーニングのダウンタイム中は、紫外線対策を徹底し、照射した箇所を刺激しないようにしましょう。
なお、術後はまれに湿疹のような赤みやかさつき、ニキビのようなぷつぷつが出てくることがあります。もし症状が長引いたり、強く出たりする場合はクリニックに相談しましょう。
ピコフラクショナルの経過とダウンタイム
ピコフラクショナルは、ニキビ跡や毛穴の開きなど、肌の凹凸の改善に有効な治療です。ここからは、ピコフラクショナルの経過とダウンタイム中の症状について解説します。
経過
出力パワーや肌質によりますが、施術直後から赤みが出て1〜3日程度続く場合が多いです。数日間は、痛みや点状の内出血、ほてり、つっぱり感が続くことがあります。
また、施術後1週間ほどは肌表面がザラつくため、メイクのりが悪くなるでしょう。1週間が過ぎると、古い角質やかさぶたが剥がれ落ち、徐々に新しい皮膚が現れます。
ダウンタイム期間
施術直後は、赤みやヒリヒリした感覚が出る場合がありますが、数時間経てば徐々に落ち着くことが多いです。
また、ニキビのような赤いブツブツや毛嚢炎(もうのうえん)や点状出血が出ることもありますが、施術後7日程度で収まるでしょう。ただし、ダウンタイム中の症状は個人差があるため、肌質によっては痛みが続くこともあります。
なお、施術後は肌が乾燥しやすくなるため、保湿ケアと紫外線対策を念入りに行いましょう。
ピコスポットの経過とダウンタイム
ピコスポットは、部分的なシミの改善に有効な治療です。ここからは、ピコスポットの経過とダウンタイム中の症状について解説します。
経過
ピコスポットの経過は、下記の通りです。
- 直後
ピコスポットの施術直後は、軽いやけどに近い状態になるため、施術部分に赤みや腫れが生じることがあります。 - 施術後数日
照射した部分に、薄いかさぶたができる場合があります。かさぶたができるとシミが濃くなったと感じることもありますが、無理に取ったりいじったりしないようにしましょう。無理にかさぶたを剥がすと、肌にダメージが加わり、色素沈着を起こす恐れがあります。 - 施術後1~2週間
徐々にかさぶたが剥がれていき、効果を感じ始めることが期待できます。まれにかさぶたの取れた箇所が、白く色が抜けたように見えることがあります。これは一時的なもので、1~2ヶ月程度で周囲になじんでいきます。 - 施術後1ヶ月
照射した部位に刺激を与えてしまうと、術後1ヶ月ほど経った時に、炎症後色素沈着が起こることがあります。まれに、治療前よりもシミが濃くなってしまうこともあるため、注意が必要です。ただし、時間が経つと徐々に薄くなっていきます。
ダウンタイム期間
ピコスポットのダウンタイムは、2週間程度です。3つあるピコレーザーの照射モードの中で、最もダウンタイムが長いとされています。ピコスポットのダウンタイム中に生じる症状としては、以下のものが挙げられます。
- 痛み
- かゆみ
- やけど
- 色素沈着
- 色素脱失
クリニックによっては、術後2週間、照射箇所をテープで保護する場合があります。照射部位を外部刺激から守ることで、術後に色素沈着が残るリスクを抑えることが可能です。
また、ピコスポットの照射後に、美白効果のある内服薬や外用薬を使うと効果的です。内服薬にはビタミンC・ビタミンE・トラネキサム酸、外用薬にはハイドロキノン・トレチノインなどがあります。これらを併用することで、術後の色素沈着の発生を抑えたり、症状の改善を早めたりする効果が期待できます。
ピコレーザーによる色素沈着を予防するためのポイント3つ
ピコレーザーの照射後は、肌がデリケートな状態です。術後に間違ったケアをしてしまうと、照射箇所に色素沈着を起こす恐れがあります。術後は、適切に肌をケアして色素沈着の発生を抑えましょう。
ここからは、ピコレーザーによる色素沈着を予防するためのポイントを3つご紹介します。
施術した部分に刺激を与えないよう注意する
ピコレーザーの施術後は、肌が軽くやけどを起こした状態になるため、時間が経つとかさぶたができることがあります。特にピコスポットは出力パワーが強いので、他の2つのモードよりも、かさぶたができやすい傾向です。
ピコレーザーの照射後にできるかさぶたは、きずが治る時にできるような硬く厚みのあるものではなく、薄く黒っぽい色をしています。術後にできるかさぶたは目立つため、早く剥がしたくなるかもしれませんが、なるべく触らないように心がけましょう。
かさぶたを無理に剥がしたり擦ったりすると、色素沈着が起こり、治療前よりも濃いシミができる場合があります。
また、普段のスキンケアでも、肌に刺激を与えないことが大切です。洗顔はゴシゴシ擦らず、たっぷりの泡で優しく行いましょう。スクラブなどが入った洗顔料は、肌の刺激になるため、控えるのが無難です。
保湿と日焼け対策をしっかり行う
ピコレーザーの施術後は、肌が乾燥しており敏感な状態です。また、普段よりも紫外線の影響を受けやすいため、保湿や日焼け対策は徹底して行う必要があります。
クリニックによっては、ワセリンが処方されることがあります。施術後1~3週間は、ワセリンを塗り照射部位を保湿しましょう。
日焼け対策では、日焼け止めクリームを塗ったり、UVカット効果のある日傘や帽子を使ったりして、紫外線から肌を守りましょう。紫外線は雨やくもりの日でも降り注いでいるので、短時間の外出でも日焼け対策を行って下さい。
運動や飲酒など赤みを促す行為は避ける
術後1週間は、運動、飲酒、エステ、サウナなど血行を促進させるような行為は控えましょう。また多くのクリニックでは、炎症を抑える軟膏が処方されます。クリニックからの指示に従い、正しく使用しましょう。
ピコレーザーの施術後は、なるべく早く炎症を鎮めることが大切です。炎症が長引くと、術後に色素沈着を起こすリスクが高まります。
生活習慣を整える
肌のターンオーバーが正常に行われないと、メラニンが排出されず、色素沈着を起こしてしまうことがあります。次のポイントを押さえて、肌のターンオーバーを整えましょう。
- ビタミン類(特にビタミンA・B・E・C)を積極的に摂取する
- 質の高い睡眠を取る
- 適度な有酸素運動を取り入れる
- 体をあたためる
特に食事は、肌のコンディションを整えるのに重要です。栄養バランスの摂れた食事はもちろん、肌にいいとされるビタミン類を摂ることで、ターンオーバーを促進させる効果が期待できます。人間はほとんどのビタミンを自分ではつくり出せないため、定期的に摂取するよう心がけましょう。
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本記事では、ピコレーザーの経過やダウンタイム、施術後の注意点を解説しました。照射モードにもよりますが、ピコレーザーの術後は、赤みやひりつき、色素沈着などの症状が起こることがあります。ダウンタイム中は、紫外線対策や保湿などを徹底し、術後の色素沈着を防ぎましょう。
オーロラクリニックでは、ピコレーザーを導入し、肌への負担に配慮した施術を行っています。10万人に及ぶデータをもとに、肌の状態を診断し、高品質な医療を提供します。カウンセリングはWeb・LINEからお申し込み可能です。患者様に合った施術プランを提案してもらえるので、まずは気軽に相談してみると良いでしょう。