顔のシミは老けた印象を与えてしまうため、除去するために美容クリニックを検討している方も多いでしょう。しかし、シミ取りレーザーで本当にシミが取れるのでしょうか。
結論からいうと、レーザーにはシミ取り効果が期待できます。
本記事では、シミ取りレーザーの特徴や効果、施術の流れ、治療を受ける際の注意点について解説します。施術後の副作用やシミの再発についても紹介するため、治療に不安がある方はぜひ最後までご覧ください。
シミ取りレーザーとは
シミ取りレーザーは、レーザーを照射してシミの原因となる黒い色素「メラニン」を破壊します。シミの色調はメラニンであり、これに吸収される波長を用いてシミのみを破壊していく施術となります。レーザーは色の異なる部分のみに反応するため、シミ周辺の正常な細胞を傷つける心配はほとんどありません。
シミ取りレーザーで治療を行うことで、セルフケアでは改善が難しかった比較的薄いシミから濃いシミ、そばかす、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、肝斑などの改善が期待できます。
肝斑治療に対するトーニングの有効性については、これまでに多くの報告がありますが、一方でトーニングによる肝斑の増悪や治療中止に伴う再発、頻回照射に伴う難治性白斑の可能性あります。当院では現在、肝斑治療に対して慎重を期しながらピコトーニングを行っております。
シミ取りレーザーの効果・特徴とは
シミ取りレーザーにはどのような効果が期待できるのでしょうか。ここでは、シミ取りレーザーの効果・特徴について詳しく解説します。
少ない回数で効果を実感できる
シミ取りレーザーは除去したいシミをピンポイントで狙ってメラニンを破壊するため、少ない回数でも効果を実感しやすい治療法です。
シミの濃さによっては何度か通う必要がありますが、数回でも「シミが薄くなってきた」と実感しやすいでしょう。
セルフでは除去できないシミにもアプローチできる
比較的薄いシミや濃いシミ、そばかす、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、肝斑などはセルフケアで除去するのは難しいですが、シミ取りレーザーなら除去が困難なシミにもアプローチできます。また、すぐに目立たなくしたいシミがある場合は、セルフケアよりもレーザー治療の方が短期間で効果を実感しやすいでしょう。
クリームの塗布薬や内服薬よりも効果が高い
クリームの塗布薬や内服薬は効果が出るまでに時間がかかるため、短期間で効果を実感したい場合はシミ取りレーザーがおすすめです。
シミ取りレーザーはメラニンに直接アプローチできるため、徐々にシミの排出を促す塗布・内服薬よりも高い効果が得られます。
患部周辺の正常な皮膚を傷つけにくい
シミ取りレーザーは、シミ周囲へのダメージを最小限に抑えた治療も可能で、レーザーの熱を照射してメラニンが破壊されると、シミの部分のみがかさぶたに変化します。
レーザーは正常な皮膚には反応しないため、心配しすぎる必要はありません。時間が経つとかさぶたは自然とはがれ落ち、術後はきれいな肌になることが期待できます。
シミ取りレーザーで効果の出るシミの種類は4つ
シミ取りレーザーで効果の出るシミの種類は、以下の4つです。
- 老人性色素斑(一般的なシミ)
- そばかす(雀卵斑)
- ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
- 肝斑
シミの種類によって形状・できる原因・できやすい年齢などが異なります。ここでは、それぞれのシミの特徴を詳しく解説します。
老人性色素斑(一般的なシミ)
一般的にシミと呼ばれるのは、円形で茶褐色の老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)です。紫外線によってシミのもととなるメラニンが増加し、うまく排出されないまま蓄積されることでシミになります。
老人性色素斑は不定形の色素斑で、大きさも色々で、顔だけでなく顔だけでなく、手の甲・背中など、どこにでもできる可能性があります。
そばかす(雀卵斑)
そばかす(雀卵斑)は、鼻を中心に頬骨にかけてできる1mm~数mmの小さなシミです。
家族内発生が多いですが、明らかな遺伝形式は分かっていません。女性に多く、思春期に目立つようにあり、妊娠時に悪化するため、女性ホルモンとの関係が指摘されています。また、日焼けは明らかな増悪因子です。
通常、そばかすは大人になると薄くなりますが、気になる場合はシミ取りレーザーでの治療を検討してみましょう。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、多くは20歳以上にみられ、顔面の頬・鼻根・鼻翼・瞼・額の部位におおむね両側性にみられます。他のシミと異なり、皮膚の深くにある真皮にできるのが特徴です。原因ははっきりわかっていません。
肝斑
肝斑(かんぱん)は、頬骨のあたりに左右対称にできるシミです。輪郭がはっきりしておらず、もやもやと広がっているという特徴があります。肝斑は、頬や額、口唇などにあらわれ、おおむね左右対称性にみられるしみです。輪郭がはっきりせず、もやもやが広がっていることが多いですが、目の下の肝斑では、はっきりとした境界様のラインがでることがあります。年齢は20~40歳で多く、妊娠・日焼けで症状が悪化します。
肝斑治療に対するトーニングの有効性についてはこれまでに多くの報告がありますが、一方で、トーニングによる肝斑の増悪や治療中止に伴う再発、頻回照射に伴う難治性白斑の可能性もあります。当院では現在、肝斑治療に対して慎重を期しながらピコトーニングを行っております。
肝斑治療はスキンケア、内服、外用を基本治療として行い、ピコトーニングはこれらの治療を行った上で、補助的な治療になります。
シミ取りレーザーを受ける前にシミができる原因を知りましょう
シミは、紫外線や、皮膚のターンオーバーの乱れなど、主に5つの原因が挙げられます。シミ取りレーザーで治療する前に、シミができる原因を知っておきましょう。シミができてしまってからでは時間も費用もかかります。原因を知っているなら、できるだけシミができないように対策ができます。
紫外線
シミができる原因として代表的なものは紫外線です。メラニンを作るメラノサイトは、紫外線から肌を守るために活性化し、細胞へのダメージを緩和します。しかし、紫外線を浴びすぎるとメラニンが過剰に増え、うまく排出されずに蓄積されるとシミになります。
シミを予防するには、日焼け止めを塗る・UVカット効果のある日傘や帽子を使用する方法などが効果的です。特に紫外線が強くなる夏は、日焼け対策をしっかり行いましょう。
皮膚のターンオーバーの乱れ
皮膚のターンオーバーが乱れると、皮膚の表面にあるメラニンが排出されずにシミとなります。ターンオーバーとは、約28日周期で肌の細胞が生まれ変わる仕組みのことです。ターンオーバーが正常だとメラニンは古い細胞と共に自然にはがれ落ちます。
細胞が生まれ変わるサイクルを正常にするには、ビタミンやタンパク質をバランスよく摂取できる食事を心がけるのが大切です。また、ターンオーバーのサイクルは睡眠中に活発になるため、睡眠時間の確保も重要です。
肌の乾燥
肌が乾燥するとバリア機能が損なわれ、炎症が起こりやすくなります。炎症をきっかけにメラニンがたまると、炎症後色素沈着としてシミが残ります。肌の乾燥はターンオーバーが乱れる原因の1つでもあるため、乾燥しやすい冬は特に注意が必要です。
乾燥を防ぐには、洗顔後に化粧水や乳液でしっかりと保湿することも大切です。日頃からお手入れをしておけば、シミを作りにくい肌を保持できるでしょう。
ストレス
ストレスはシミの発生の原因の1つです。ストレスはホルモンバランスに影響を与えます。ホルモンバランスが崩れるとメラニンが増え、またターンオーバーも正常なサイクルが保てなくなるため、シミが発生します。
ストレスは睡眠の質にも関わってくるため、適度に解消することが大切です。読書をする・アロマキャンドルを灯すなど、自分を癒やす時間を設けてストレスを減らしましょう。
加齢
加齢によって肌の再生や老廃物の排出機能が衰えると、細胞が生まれ変わるサイクルが長くなりシミができやすくなります。特に30代を超えると、長年蓄積された紫外線ダメージによってシミが現れやすくなります。
紫外線の影響は加齢が進むにつれて明らかになります。若い頃は日焼けしてもすぐに元に戻りますが、蓄積されたメラニンは加齢によって排出されるスピードが落ちるとシミになります。若いときから季節を問わず日焼け止めを塗る・スキンケアを丁寧に行うなどの対策をすることが大切です。
シミ取りレーザーの種類
シミ取りレーザーにはいくつか種類があり、それぞれ効果的なシミの種類や波長が異なります。シミ取りレーザーの特徴を知り、施術方法を選ぶ参考にしてください。ここでは、代表的な3種類のシミ取りレーザーについて解説します。
Qスイッチヤグ(YAG)レーザー
Qスイッチヤグ(YAG)レーザーは532nm・1064nmの波長を使い分け、シミ・肝斑・そばかす・あざなどさまざまな症状を治療できる機器です。レーザーはメラニンのみに反応するため、健康な肌のダメージを最小限に抑えて施術できます。また、レーザーの熱はコラーゲンの生成を促進する効果もあり、毛穴の引き締め・肌のハリ改善などの効果も期待できます。
強いエネルギーで照射することから、1回の施術効果が高いのがQスイッチヤグ(YAG)レーザーの特徴です。照射は非常に短時間であり、痛みはほとんどありません。施術してから10日ほどは照射部分が火傷したような状態になるため、患部に保護テープを貼って外部からの刺激を減らす必要があります。
レーザートーニング
レーザートーニングは、微弱なパワーのレーザーを皮膚全体に照射し、肌への刺激を抑えながらメラニンにアプローチする機器です。施術を重ねるたびに、徐々にメラニンが減少します。レーザートーニングは出力が弱いため、高出力のレーザーだと刺激が強くて症状が悪化するおそれがある肝斑にとって有効な治療方法の1つです。出力が弱いため最低でも5回は施術する必要がありますが、施術時の痛みはそれほど強くありません。
レーザートーニングは波長が長く、皮膚の構成に欠かせないコラーゲン、皮膚の弾力維持に役立つエラスチンといったタンパク質の生成を促進します。肌のハリ・弾力アップや、毛穴の引き締め効果も期待できるレーザーです。個人差はありますが、出力が弱いためダウンタイムはほとんどなく、施術後にメイクをして帰宅することもできます。
肝斑治療に対するトーニングの有効性については、これまでに多くの報告がありますが、一方でトーニングによる肝斑の増悪や治療中止に伴う再発、頻回照射に伴う難治性白斑の可能性あります。当院では現在、肝斑治療に対して慎重を期しながらピコトーニングを行っております。
ピコレーザー
ピコレーザーは、熱ではなく衝撃波でメラニンにアプローチし、徐々に色素を分解する機器です。従来のレーザーはナノ秒(10億分の1秒)という時間で治療していますが、ピコレーザーはピコ秒(1兆分の1秒)という短い照射時間で施術できます。
シミ・そばかす・ニキビ跡だけでなく、毛穴の引き締めやトーンアップ効果も期待できます。照射時間が非常に短いため痛みも少なく、ダウンタイムがほとんどないのがメリットです。
ピコレーザーには、「ピコスポット」と「ピコトーニング」という2つの施術方法があります。
ピコスポット
ピコスポットは、高出力のレーザーでシミを集中的に照射する治療法です。強い衝撃波でメラニンを破壊しますが、非常に短時間のため肌へのダメージは少ないという特徴があります。色素沈着を引き起こすリスクが低く、痛みも輪ゴムで弾いた程度です。
ピコスポットは、シミ・そばかす・あざ・炎症後色素沈着の治療でよく用いられます。気になるシミをピンポイントで除去したい場合に向いている治療法です。
ピコトーニング
ピコトーニングは、レーザーの微弱な衝撃波でメラニンを徐々に減少させる治療法です。出力が弱いため、従来はレーザーでの施術が難しかった肝斑治療に用いられます。治療のために複数回通う必要がありますが、ダウンタイムがほとんどないのがメリットです。
ピコトーニングは細かい色素性病変治療後の残存や、色調の改善、肌のハリ、毛穴などに効果が期待できる治療法です。顔全体の肌質を改善したい方にはピコトーニングが向いているでしょう。
シミ取りレーザーでシミを取り除く流れ
シミ取りレーザーで施術すると、どのようにシミが取れるのでしょうか。ここでは、シミを取り除く流れを4ステップに分けて解説します。シミを取り除く原理や肌へのダメージが気になる方は、ぜひ参考にしてください。
レーザーを患部に照射する
レーザーが患部のメラニンにのみ働くのは、濃い茶色・黒色などに反応する「色素選択性」という特徴があるためです。
レーザーの種類によって、反応しやすい色素や高い効果が期待できるシミの種類が異なります。治療方法を選ぶ際は、患部に効果的なレーザーがどれなのか、しっかり見極めることが大切です。
照射部位は軽く火傷したような状態になる
患部への照射はレーザーの熱エネルギーを用いているため、施術後は照射部位が軽く火傷した状態になります。熱によってシミのもととなるメラニン色素が分解され、徐々に排出されます。
施術後は数時間から数日ほど、照射部位に痛みを感じる場合がありますが、時間の経過とともに治まるため不安に思う必要はありません。
皮膚にかさぶたができる
施術後3日から2週間ほど経つと、照射部位の皮膚にかさぶたができます。かさぶたは皮膚が再生する過程でできるものであるため、心配する必要はありません。
気になるからといって無理にかさぶたをはがすと、出血や色素沈着のリスクがあります。かさぶたには触らず刺激を与えないようにして、自然にはがれるのを待ちましょう。
新しい皮膚が再生される
正常に新しい皮膚が再生されると、かさぶた周辺が赤やピンク色を帯びてくるようになります。しかし、かさぶたが取れた後に皮膚の色が茶色・黒色などの濃い色であった場合は、炎症後色素沈着が起きている可能性があるでしょう。
火傷による炎症をきっかけにメラニンが溜まる症状ですが、3〜6ヶ月ほど経つと正常な肌に戻ります。
シミ取りレーザー治療後のアフターケア
シミ取りレーザーの治療を行った後は、肌が乾燥して非常に敏感な状態です。レーザー後の保湿には、保水・抗炎症・血行促進の作用があるヒルドイドや、ヘパリン類似物質が配合された化粧水・乳液などでケアをしましょう。
また、治療後に日焼けすると薄くなったシミが再度濃くなる可能性があるため、室内・室外に関わらず日焼け止めを塗って紫外線対策をすることも大切です。
シミ取りレーザーの注意点
シミ取りレーザーは他の治療方法と比べて高い効果が期待できますが、高額な費用・痛みの発生など注意すべき点もあります。多少のリスクがあることを理解し、納得した上でレーザー治療を行うようにしましょう。
ダウンタイムがある
シミ取りレーザ―後のダウンタイムとは、治療後に赤みやかさぶたができる状態から、皮膚の状態が落ち着いて通常の生活に戻るまでの期間のことです。ダウンタイム中は患部に保護テープを貼り、外部の刺激や紫外線から肌を守りましょう。
シミ取りレーザーの中でもピコレーザーはダウンタイムがほとんどない機器ですが、ピコスポットでの施術は出力が強いため、かさぶたができることがあります。1〜2週間はテープを貼り、かさぶたが自然にはがれるまで待ちましょう。
基本的に自由診療のため、高額な費用がかかる
シミ取りレーザーの治療は基本的に自由診療のため、費用が患者の10割負担となり高額になります。自由診療とは、厚生労働省によって公的医療保険の対象として承認されていない治療のことです。医療保険が使えないため、費用面では負担が大きくなります。
費用は高額ではありますが、レーザー治療は1回の施術で高い効果が期待できますのでレーザー治療を検討してください。
施術の際に多少の痛みがある
シミ取りレーザーを照射するときの痛みはそれほど強くはありません。輪ゴムでパチンと弾かれたような痛みです。ただし、痛みの感じ方には個人差があるため、不安な場合は施術前に医師に相談すると、麻酔クリームを使用して痛みを軽減する対策を提案してくれるでしょう。
また、施術後は照射部分が火傷のような状態となるため、ひりひりとした痛みを感じることがあります。痛みは数時間から数日で治まりますが、乾燥すると痛みが長引く可能性があるため、保湿をしっかりと行うようにしましょう。
肌の炎症や赤みが出ることがある
シミ取りレーザーの施術後は、照射部分に炎症や赤みが出ることがあります。皮膚が火傷のような状態となっているために起こる炎症です。一時的なものであるためあまり心配する必要はありません。
炎症や赤みを抑えるにはアフターケアが大切です。保湿ローションを塗って乾燥を防ぎ、日焼け止めを塗って紫外線対策を徹底しましょう。なかなか症状が治まらない場合は、受診したクリニックに相談することをおすすめします。
レーザー後に炎症後色素沈着が濃く出ることがある
シミ取りレーザー治療によって照射部分に炎症が起きると、炎症後色素沈着が濃く出ることがあります。茶褐色や紫褐色、灰褐色のシミのようなものができますが、時間の経過で症状が落ち着くことがほとんどです。数ヶ月から1年以内には症状はよくなるでしょう。
シミが再発することがある
シミ取りレーザーによってシミを除去できても、数年後に再発することがあります。特に1回のみしか照射していないシミは、再発する場合が多いです。
長年紫外線ダメージが蓄積されてできたシミや、年齢によるシミは1回の照射でメラニンを分解しきれず、すべてを排出できない可能性があります。再発を防ぐには、複数回レーザー治療を行うことが必要です。また、新たなシミができないように紫外線対策もしっかりと行いましょう。
シミ取りレーザー治療の料金相場
シミ取りの治療にかかる費用は、レーザーの種類によって相場が異なります。顔全体への施術に対する料金なのか、シミ1個あたりの料金なのかも施術内容ごとに異なるため、しっかりと料金相場を確認しておきましょう。
Qスイッチヤグ(YAG)レーザーの料金相場
Qスイッチヤグ(YAG)レーザーの料金相場は、1〜5mm範囲につき1回あたり11,000円ほどです。そのため、治療したいシミのサイズによって料金が変動します。また、クリニックによって施術範囲や料金プランが異なるため、事前に確認しておきましょう。
レーザートーニングの料金相場
レーザートーニングの料金相場は、顔全体への照射で1回あたり約15,000円ほどです。レーザーの出力パワーが弱く、最低でも5回は施術を受ける必要があります。料金を比較する際は、複数回治療をした場合の合計金額を見てクリニックを決めるとよいでしょう。
ピコレーザーの料金相場
ピコレーザーの料金は、施術方法が「ピコスポット」か「ピコトーニング」かで相場が異なります。ピコスポットの料金相場は、約1mmのシミ1個につき約3,300円ほどです。治療したいシミの数や照射範囲によって、料金が変動します。
ピコトーニングの料金相場は、顔全体への照射で1回あたり約15,000円ほどです。シミの数が多い場合は、ピコスポットよりもピコトーニングの方が料金が安くなる可能性があります。
シミ取りレーザー以外のシミ取り治療法
シミ取りレーザー以外の治療法には、「IPL光治療」と「トラネキサム酸内服薬」の2つがあります。レーザーと比較してどのような違いがあるのか、以下の見出しで詳しく解説します。
IPL光治療
IPL光治療とは光を用いた治療法のことで、IPL(インテンス・パルス・ライト)という光をあててシミ・赤ら顔などの肌トラブルを改善に導きます。紫外線をカットしたやさしい光を顔全体にあて、メラニンを分解する治療法です。
IPLの光が皮膚の深くまで到達して熱によって肌を刺激するため、コラーゲンやエラスチンの生成を促す働きも期待できます。肌のハリや弾力が向上することで、顔全体の肌質改善が見込めるでしょう。
施術時の痛みはほとんどなく、痛みに敏感な方や施術が初めての方でも受けやすい治療です。皮膚を傷付けないため、ダウンタイムもほとんどありません。ただし、費用相場は1〜2.5万円ほどで、レーザー治療よりも高額になる場合があります。
トラネキサム酸(内服薬)
トラネキサム酸の内服薬は、体の内側からシミにアプローチする治療法です。シミの原因となるメラノサイトの活性化を抑えることで、シミや肝斑ができにくくなります。既存のシミを薄くするよりは、新しいシミを作らないようにする予防効果を目的としています。
レーザー治療後にもシミ予防としてよく処方される内服薬です。料金相場は2千〜5千円ほどとなっています。
【シミ取りレーザーをする前に】どんなシミ取り治療が向いているかを選ぶ基準
シミ取りレーザーの治療をする前に、自分にどのような治療が向いているのか確認することをおすすめします。適した治療法を選ぶ基準は、「シミの種類」「施術効果」「価格」「ダウンタイム」の4つです。
シミの種類から選ぶ
治療したいシミの種類によって、向いている治療法が異なります。治療法別の効果的なシミの種類は、以下の表の通りです。
治療方法 | シミの種類 |
レーザー治療 | 老人性色素斑 そばかす ADM 肝斑 |
ピコレーザー | 老人性色素斑 そばかす ニキビ跡 肝斑 毛穴の開き 肌のハリ 小ジワ |
IPL光治療 | 老人性色素斑 そばかす 赤み 毛穴 皮膚のキメ |
トラネキサム酸内服薬 | 肝斑 ニキビ跡等の色素沈着 |
対応できるシミの種類がもっとも多いのはレーザー治療で、ADMと脂漏性角化症の治療ができるのはレーザーのみとなっています。一般的なシミである老人性色素斑は多くの治療法で対応しているため、費用・ダウンタイムの有無などで比較検討するとよいでしょう。
シミ取りの施術効果から選ぶ
1回の施術で高い効果を得たい場合は、「Qスイッチヤグ(YAG)レーザー」や「ピコスポット」が良いでしょう。患部へピンポイントに照射するため、効果を実感しやすいという特徴があります。
肝斑を治療したい場合は、「ピコトーニング」や「トラネキサム酸内服薬」が良いでしょう。ピコトーニングは刺激を与えすぎないため、肝斑の症状を悪化させるリスクが低くなります。また、内服薬を利用すれば新たな肝斑ができにくくなります。
シミ取りと同時に美肌効果も得たい場合は、「レーザートーニング」や「IPL光治療」がおすすめです。照射熱によってコラーゲンの生成が促進され、ハリや弾力がアップする効果が期待できます。
肝斑治療に対するトーニングの有効性については、これまでに多くの報告がありますが、一方でトーニングによる肝斑の増悪や治療中止に伴う再発、頻回照射に伴う難治性白斑の可能性あります。当院では現在、肝斑治療に対して慎重を期しながらピコトーニングを行っております。
価格帯から選ぶ
治療にかけられる予算に限りがある場合は、価格帯から選ぶのがよいでしょう。治療法別の価格表は以下の通りです。
価格 | 治療法 |
1万円以下 | 内服薬 |
1~3万円 | Qスイッチヤグ(YAG)レーザー レーザートーニング ピコレーザー |
3万円以上 | IPL光治療 |
効果が出るまでに時間がかかってもよい場合は、1万円以下で治療できる内服薬が良いでしょう。シミにしっかりアプローチするならば、シミ取りレーザーがおすすめです。
予算に余裕がある場合は、肌質改善も期待できるIPL光治療も良いでしょう。また、レーザーと併用することで、よりきれいにシミを除去する効果が期待できます。
ダウンタイム・副作用のリスクから選ぶ
ダウンタイムが少ない治療法を選びたいなら、「ピコレーザー」や「IPL光治療」がおすすめです。肌へのダメージが少ないため、施術後メイクをして帰宅することもできます。
肌に負担をかけたくない場合は、「内服薬」や「塗布薬」を利用しましょう。効果が出るまで時間はかかりますが、肌を傷付けることなくケアできます。
ダウンタイムがあってもシミ取りの効果をしっかり実感したい場合は、レーザー治療が向いています。シミのもととなるメラニンを分解して排出を促すため、短期間で効果を得やすい治療です。治療後にかさぶたができるデメリットはありますが、アフターケアをしっかりと行えば症状を抑えられます。
シミを増やさないための生活習慣とは
シミ取りレーザーの治療効果を上げるには、普段の生活習慣を見直すことも大切です。新しいシミを増やさないためにも、以下で紹介する7つの行動を意識して生活するようにしましょう。
適切にスキンケアを行う
シミを増やさないためには、保湿による適切なスキンケアが非常に重要です。皮膚が乾燥するとターンオーバーが乱れやすくなり、治療で分解したメラニンがうまく排出できなくなります。
スキンケア用品を選ぶ際は、メラニンの生成を抑えてシミを防ぐ効果が期待できる、美白成分入りのものを使用するとよいでしょう。美白成分であるビタミンC誘導体・トラネキサム酸などが配合された化粧水は、ドラッグストアで購入できます。
ビタミンCを積極的に摂る
シミの予防には、メラニンの生成を抑制するビタミンCを積極的に摂ることも大切です。ビタミンCには抗酸化作用もあるため、細胞の老化を防ぎターンオーバーを促進する効果も期待できます。
できるだけ食事でビタミンCを摂取することが望ましいのですが、難しい場合はサプリメントを活用すると良いでしょう。
肌への刺激が少ない化粧品を使用する
化粧品を選ぶ際は、肌への刺激が強い成分が含まれていないかどうか確認しましょう。刺激が強いと、皮膚の再生を妨げる可能性があります。アルコール成分を含むものは肌の乾燥を促すため注意が必要です。
レーザー治療をした後の肌は敏感になっており、普段よりも刺激を感じやすくなっています。敏感肌用の化粧品を使用し、スキンケアを行うようにしましょう。
紫外線を避ける
紫外線を避けることも、シミ予防において重要です。紫外線はメラニンを生成するメラノサイトを活性化させるため、日焼け止め・日傘などで紫外線対策をしっかりと行いましょう。対策を怠れば、シミ取り治療を行っても再発する可能性が高くなります。
紫外線を浴びてしまった場合は、メラニンの生成を抑える美白成分が含まれた化粧品でケアするのがおすすめです。日焼け後の肌をしっかりケアし、余分なメラニンを作らせないようにしましょう。
皮膚をこすらない
皮膚をこすらないようにするのも、シミ予防では重要なことです。皮膚をこすってしまうとメラノサイトが刺激され、シミが作られやすくなります。
洗顔時には石鹸をしっかりと泡立て、直接手で肌をこすらないように注意しましょう。他にも、頬杖をつかない・目をこすらないなど、普段の仕草にも気を付ける必要があります。
トラネキサム酸を内服する
トラネキサム酸の内服薬には、メラニン色素の産生を抑える、シミを予防する効果が期待できます。トラネキサム酸はレーザー治療では改善が難しい肝斑に効果的だといわれる成分です。なお、トラネキサム酸とビタミンCを併用すれば、より高いシミ予防効果を期待できます。
ハイドロキノンクリームを塗る
ハイドロキノンクリームはチロシナーゼ阻害によってメラニンの生成を抑制する働きがあるため、肌に塗るとシミ予防の効果が期待できます。特に老人性色素斑・肝斑・炎症性色素沈着のシミにはハイドロキノンの使用が適しています。
ハイドロキノンクリームはドラッグストアでも購入できますが、配合濃度は少なめです。シミ改善の効果が期待できる適切な濃度のクリームを使用したい場合は、皮膚科クリニックで販売しているドクターズコスメを利用してみてください。
クリニックで行うシミ取りレーザー施術の流れ
クリニックでシミ取りレーザーを行うには、予約からアフターケアまで大きく分けて5つのステップがあります。流れを理解し、クリニックで施術の予約を取りましょう。ここでは、具体的な施術の流れを解説します。
1.ご予約
まずはクリニックに予約を入れましょう。WEBサイト・電話・LINEなどで予約できます。予約の際に、料金プラン・施術内容について不明点があれば相談するのがおすすめです。
2.ご相談
予約した日時にクリニックへ来院したら、受付スタッフに名前を伝えましょう。受付後は、スタッフが個室カウンセリングルームへ案内してくれます。
診察・施術の前に、施術したい箇所・病歴などの項目が記載された問診票を記入します。必要であれば、AI美肌診断機を用いてカウンセリングを行うことも可能です。
3.診察・決済
カウンセラーによるカウンセリング、担当医師による診察を受けます。悩みや要望は積極的に相談しましょう。ここで疑問点・不安点を解消しておくことが大切です。施術内容に納得したら、施術申込書の手続きをして料金を支払います。
4.施術開始
当日に施術ができる場合は、診察・決済後に施術室へ移動します。後日施術の場合は次回の来院日時を予約します。
施術の準備ができたら治療開始です。施術時の痛みが心配な場合は、麻酔(有料)を使用することもできます。
5.アフターケア
顔の施術後は、院内のパウダールームに案内されます。ただし、施術内容によってはダウンタイムがあるため、すぐにメイクできない場合もあります。
施術後は肌が敏感になっているため、保湿・紫外線対策などのアフターケアをしっかりと行いましょう。不安なこと・疑問点があれば、クリニックに相談することをおすすめします。
シミ取りレーザー施術後のダウンタイムと経過
ここでは、シミ取りレーザー施術後のダウンタイムと、シミがなくなるまでの経過について紹介します。施術後にどのような症状が出るのか、施術の効果を実感するまでにどれくらい時間がかかるかを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
シミ取りレーザー照射1日目
シミ取りレーザーの施術後1日目には、照射部位に赤みが出る場合があります。ヒリヒリした痛みを感じることもあるでしょう。
皮膚が非常にデリケートな状態になっているため、しばらくは保護テープを貼って過ごすことになります。テープをはがすと色素沈着が起きる可能性があるため、気になるからといってはがさないようにしましょう。
シミ取りレーザー照射3日目~5日目
施術後3~5日経つと、照射部位に水ぶくれができることがあります。水ぶくれを潰すと皮膚の状態が悪化する可能性があるため、触らずに放置しておきましょう。
シミ取りレーザー照射6日目~9日目
施術後6〜9日経つと、照射部位にかさぶたができます。気になるからといって、かさぶたを無理にはがすのは禁物です。はがすことで出血したり、色素沈着が起きたりする可能性があります。焦らず、自然にはがれるのを待ちましょう。
シミ取りレーザー照射10日後~2週間後
施術後10日〜2週間ほど経ってかさぶたが取れた後に、炎症後色素沈着が起こることがあります。炎症後色素沈着を悪化させないために、紫外線対策をしっかりと行いましょう。
シミ取りレーザー照射1ヶ月後
炎症後色素沈着が起こると、施術後1ヶ月後に「戻りシミ」がでる可能性があります。治療を受けた方の40〜50%は「戻りシミ」を経験するといわれています。ほぼ数ヶ月から1年以内には消えるため、心配しすぎないようにしましょう。
シミ取りレーザー照射半年後
施術後から半年ほど経過すると、メイクをすれば目立たない程度までシミが薄くなることが期待できます。施術前のシミの濃さと比較すると、症状が改善してきていることがわかるでしょう。
シミ取りレーザー照射1年後
シミ取りレーザーを照射してから1年経過すると、もともとあったシミが跡形もなくなります。ある日突然シミが消えるわけではなく、時間をかけて徐々に薄くなり、もとの肌と同じ色になります。
シミ取りレーザー治療に関するよくある質問
ここでは、シミ取りレーザー治療についてのよくある質問を紹介します。治療について疑問が残っている方は、ぜひ参考にしてください。
シミ取りレーザーの治療では、そばかすや肝斑の場合、保険適用されますか?
老人性色素斑・そばかす・肝斑・などのシミは、レーザー治療で保険適用されません。保険が適用されるのは、基本的に病気やケガに対する治療です。シミの除去は美容目的のため、保険適用の対象外となります。
一方で、扁平母斑・太田母斑・異所性蒙古斑など一部のあざの治療は、保険を適用して治療が可能です。保険適用には施術範囲や回数が決まっているため、詳しくはクリニックに確認しましょう。
顔全体のシミ取りの場合、治療期間はどのくらい?
顔全体のシミ取りの治療期間は、シミの数やサイズ、使用するレーザーの種類によって異なります。自分にはどの治療法が適しているのか知るために、まずはクリニックへ相談しましょう。カウンセリングや診療を通して、適切な治療法を提案してくれます。
シミ取りレーザーの治療は痛みがありますか?
シミ取りレーザーの治療の痛みは、使用するレーザーの種類やシミの症状によって異なります。痛みの感じ方には個人差がありますが、輪ゴムでパチンと弾いたような痛みを感じる方が多いようです。痛みに敏感で治療に不安がある場合は、担当医師に相談して麻酔クリームを使用してもらいましょう。
かさぶたにならないのですが効果がないのでしょうか?
シミ取りレーザーの治療後に起こる症状には個人差があり、かさぶたができるかどうかも人によって異なります。かさぶたができなくても、治療の効果がないわけではありません。
シミ取りレーザーに興味がある方はオーロラクリニックへご相談ください
シミ取りレーザーは、少ない施術回数で効果を実感しやすい治療法です。老人性色素斑、そばかす、ADMへのシミへの効果が期待できます。
シミ取りレーザーの種類は主に3つあり、シミの症状によって向き不向きが異なります。自分に適した治療法かどうかを知るには、クリニックへ相談するのが確実です。
オーロラクリニックでは、シミ取り治療をリーズナブルな価格で提供しています。シミ取りレーザーに興味がある方は、Webページや公式LINEからお気軽にご相談ください。